第11話
「子ども達は、貴女のような公爵家の御令嬢とお話しするのに慣れてないものですから、緊張しているみたいですね。」
「あら、そうなのですか?実は、わたくしも、緊張していますから、大丈夫ですよ。」
「まあ!お姫様らしくて、優雅なご挨拶でしたから、てっきり、慣れてらっしゃるかと………」
伯爵夫人は、とてもびっくりされていますが、わたくし、社交には慣れておりませんよ。
全面的に、社交界で最も活躍をしているのは、クォーク侯爵令嬢のエリーサ様ですから、そのようなイメージを持たれたのでしょうか?
「私共は、いろいろと驚いておりましてね。」
「リーム公爵を含め、初代国王の時代から続く伝統ある名家が多いからでしょう。」
「ええ。リージー公爵家もそうだと思っておりましたが、違うのですね。」
「お祖父様が、先代の王弟だからこそ、出来た公爵家ですからね緩い方なのですよ。伯爵。」
「おや、そうなのですか。珍しいですねぇ。」
リーム公爵家は、初代国王の弟の子孫にあたる古い古い家柄の人達で、国王や伯爵の母親は、そちらの出身の方々です。
名門リーム公爵の親戚がクォーク侯爵なので、そのツテで、レインさんは、クォーク侯爵家の御令嬢と結婚することになったのでしょう。
価値観がなかなか合わないのは、それが理由の可能性があります。
「アンジェロ殿下は、新しい公爵家を建てるのでしょうか………?」
「ええ。家名は、まだ決まっていませんけど、そうなることでしょう。」
「そうですか。オリヴィエ様、教えて下さってありがとうございます。」
イリーゼ様は、幼馴染だからこそ気にしていたけれど、王子本人に聞きにくかったのかしら?
家系は決まっていませんが、三つ目の公爵家が出来ることは、確定されています。
「オリヴィエ様、先程から、気になっていたのですが、そちらの方は、オリヴィエ様の専属の侍女の方でしょうか………?」
レインさんが興味津々に聞いて下さったのは、わたくしの後ろに控えているリラです。
伯爵家の侍女さんは、隅の方にいて、ひっそりしていますが、リラは、堂々と控えています。
「ええ。そうです。リラ、伯爵家の皆さまに、ご挨拶をお願い出来るかしら?」
「はい、リース子爵家三女リラ・サリーチェ・リースと申します。よろしくお願いします。」
「子爵家の三女………!貴族令嬢なのかい?」
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