第10話
「ああ、レインさん!初対面なのに、なんだか偉そうに………!いきなりすみません………!」
「いえいえ、一人じゃないことを改めて、感じさせていただきました。むしろ、有り難うございます。少し、すっきりしました。」
ふんわり笑顔で………まあ!優しいお方ですね!
少しでもすっきりしたのなら、良いのですが、これからは、いきなり初対面ではやめたほうが良いでしょうか?
むしろ、お話しして下さって、こちらの方こそありがとう存じます。
「オリヴィエ様、初めまして。次は、わたしの自己紹介の番のようですね。」
「ええ、そのようですね。初めまして。」
今まで、ずっと兄妹の後ろに控えめにいた次男らしき青年です。
紺色の短髪に黒い目なので、淡い青色のスーツ姿がよく似合います。
ご長男とわたくしの会話が落ち着いたところを見計らって、静かに出てきました。
「私は、伯爵家の次男レナート・ミーラリエ・リュネットです。よろしくお願いします。」
「レナートさん、よろしくお願いしますね。」
控えめな弟さんは、妹さん同様、真面目な方のような気がします。ピシッとしていますし。
お兄さんと違って、クールな印象を持っているようです。弟さんの方がミステリアスなんじゃありませんか?
それでも、どこか優しげな視線をしています。家族を大切に思っていらっしゃるようです。
「兄上に、アドバイスありがとう存じます。」
「アドバイスになったのかは、分かりません。けれど、ありがとう存じます。」
弟のレナートさんも、お優しそうなお方のようですね。ありがとうございます。
わたくし、家族や親戚、執事、侍女などの公爵家など、幼い頃から話し慣れている人達以外と会話するのに、まだ慣れていないようです。
失礼なことをしていないとよろしいのですが。後で、リラと反省会したほうが良いかしら?
「ふふふ。伯爵家の皆さまは、とてもお優しい方々ばかりで、本当に、安心しました。」
「そうなんですね。ありがとうございます。」
昨夜は、ドキドキして、なかなか眠れなくて、困ったくらいですもの。
緊張して眠れないことが、度々訪れるくらい、プレッシャーはありますよ。
「家族はみんな、オリヴィエ様を歓迎しておりますよ。ご安心くださいませ。」
「ありがとう存じます。皆さまと、一人一人、会話が出来て、本当に、ありがとう存じます。レナートさんも、よろしくお願いします。」
「ええ、こちらこそよろしくお願いします。」
まだまだ慣れていないですが、ゆっくり焦らず少しずつ慣れていこうと思います。
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