第8話



「頑張って、お姉さまみたいになりたいのっ!オリヴィエ様も、おうえんしてください!」


ぐんっと好奇心旺盛な瞳を輝かせていますね!


なんて可愛いのでしょう。年齢より幼いのは、ミーアちゃんが、末っ子だからでしょうか。


伯爵夫人がミーアちゃんを止めようとしているようなのですが、すみません。注意は、あとにして下さいませ。人前で叱ったら、しょんぼりしてしまいますでしょう?


わたくし自身、少女ミーアちゃんの発言が気になってしまいました。


「ミーアちゃんには、ミーアちゃんなりの良いところがあると思うけど………どうして、お姉様みたいになりたいの?」


「フィーちゃんの良いお手本になりたいの。」


フィーちゃんは、いったい誰なんでしょうか?


末っ子ミーアちゃんは、良いお手本になる事で大人になろうともがいてるのでしょうか。


わたくしは、ひとりっ子なので、そこらへんが分かりませんが。でも、弟のようなアンジェロ王子の前では、つい、背伸びしちゃいますね。


「伯爵、ミーアちゃんの言うフィーちゃんは、いったい誰のことなのか、分かりますか?」


「今年で4歳になった可愛い孫娘フィリーンの事ですな。孫娘も、よろしくお願いします。」


伯爵の孫娘、つまり、ご長男の足元にちょこんといる、これまた可愛いらしい子の事ですか!


ふわふわカールした銀の長髪に水色の目をした幼い女の子。


家族の中で、水色の目を持つ人はいないから、おそらく、お母様に似たのですね。


「貴女が、フィリーンちゃん?」


「うんっ!はじめまして!おり………ゔぃ………おねえさま!ふぃーちゃん、わたしだよ!」


「まあ!ふふ。フィーちゃん、よろしくね。」


ご長男の足元から、たたたたっと走ってきて、ミーアちゃんのお隣で、ご挨拶。


さすがに、オリヴィエは言えないから、お姉様と呼ぶことにしたらしい。


「フィーちゃんにとって、ミーアお姉さまは、どんなお姉ちゃん?」


「みーあおねえさま、とっても、やさしいの!あそぶの、たのしいの!」


叔母さんと姪っ子だけど、歳が近い方だから、とっても良い遊び相手、仲良しなのね!


まるで、初々しいお姉ちゃんと妹みたいだわ!とっても可愛くて、純粋な子達ね!


「そう。ミーアちゃん、立派なお姉ちゃんね!とっても偉いわ!」


「えへへへ。フィーちゃん!ありがとう!」


「みーあおねえさまー!ありがとー!」


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