第5話


「オリヴィエ様でしょうか?」


「ええ、よろしくお願いします。伯爵夫人。」


リュネット伯爵邸に行きましたら、まず先に、伯爵家の侍女の方が出てきて、お屋敷の客間に案内してくださいました。


こちらは、リュネット伯爵夫人、リリーゼ様。


旦那様も珍しい銀髪の持ち主だけど、この方も珍しい紺の長い髪をしておられますね。


「まああ!なんて可愛いらしいのでしょうか!子どもたちと会って下さるなんて、ありがとう存じます。よろしくお願い致します。」


「ふふふ。ええ。こちらこそ。よろしくお願いします。伯爵夫人。」


リリーゼ様、やはり、お美しくて優しそうな。


遠目で見たことがありますが、こうやってお話するのは、初めてですね。


「そういえば、皆様は、どちらに?」


「子どもたちは、温室で準備中でございます。遅れて、申し訳ございません。オリヴィエ様、待っている間、お話してくださいませんか?」


「ええ、もちろん、構いませんよ。温室で何を準備されているのですか?」


「夫が張り切って、パーティーをしようと言い始めたものですから。」


「まあ!パーティー!ありがとう存じます!」


パーティーをわざわざ用意して下さるなんて、わたくしは、いつも通りで構いませんのに。


公爵令嬢が伯爵家に来ることは、よほどのことだと、箱入り娘オリヴィエは知らなかった為、非常に不思議に思った。





「あら、貴女、どこかでお会いしたかしら?」


「リース子爵家三女リラ・サリーチェ・リースと申します。子爵家の次期当主は、弟のルウがなります。なので、わたしは、オリヴィエ様の侍女を務めております。」


「まあ!レラさんとミラさんの妹さんなのね!とても似てらっしゃるわ!私、レラさんの作るドレスをよく買っているのよ!」


「お姉様のドレスを!!伯爵夫人リリーゼ様、本当に、ありがとう存じます!」


リース子爵家には、4人の子どもがいまして、長女レラさん、次女のミラさん、三女のリラ、そして、長男末弟のルウさんという順番です。


長女も次女も伯爵夫人になって、レラさんは、ドレスを作る会社を経営されています。


「ドレスを見て下さらない?レラさんが作って下さった特注品なのよ。」


「わたくしのドレスも、レラさんの、ですよ。素晴らしい技術ですわよね。」


「まあ!オリヴィエ様も!はい、素晴らしく、美しく、着心地の良い、素敵なドレスです!」


「オリヴィエ様も………!ありがとう存じます!お姉様も喜ぶと思います!」

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