第4話

わたくしのお祖父様は、先代国王陛下の弟で、現在の国王陛下の妃が公爵の妹です。


わたくしが、レンテーゼの王族であることは、血筋から見ても確かです。


わたくしもまた王太子殿下に嫁入りするのだと考える人がたくさんいらっしゃいます。でも、さすがに、今回は、叔母様とは違います。


だからこそ、色々な方と関わってみたいと思うようになりました。


いきなりのお母様の発言には、驚かされましたけれど、家族ぐるみで、伯爵家の方々と仲良くさせていただけるなんて!とても光栄です!




「なんて幸運なんでしょう!!」


「お嬢さま、ご機嫌麗しゅうございますね。」


リージー公爵家専属侍女のひとり、リラです。


リース子爵家の三女。お祖父様同士が再従兄弟なので、遠い親戚にあたります。


わたくしにとっては、優しいお姉さんのような存在でございますね!


「ふふふ。リラ、リュネット伯爵家について、何か知っていて?」


「200年前、リュネット一族の初代当主は、農民だったそうです。」


まあ!さすが、物知りなサリーチェ伯の孫娘!


王都から見える、四角い形の田んぼと呼ばれる所を耕している方々のことよね?


視察の時に見たから知ってるわ!あの人達は、食事の元になるものを作って下さる素敵な人達なの!みんな、明るく優しい笑顔でご挨拶して下さったのよ!


そんな農民の方々が伯爵のご先祖さまなのね!


「7代目当主が、農民ではなく、騎士になられました。当時の国王陛下をお守り出来、功績を認められ、称えられ、男爵になりました。」


「まあ!その時代は、確か、騎士が足りなくて困っていた時代だからかしら?」


今は、とっても平穏な国ですが、昔は、戦争に巻き込まれていました。


今度は巻き込まれまいと、いまだに国防強化をして、騎士達が国を守っています。


その騎士団長がリュネット伯爵でございます。


「その後、少しずつではありますが、だんだん出世しまして、現在の伯爵家になりました。」


「まあ!素晴らしいわ!その時代では、かなり珍しいことですわよね?」


「はい、かなり珍しいことでございますね。」


「ふふふ。伯爵のように、伯爵のご先祖さまもお人柄が良かったのかもしれませんねー。」


リュネット伯爵様の御子息、御令嬢は、どんな方々なのか、楽しみになって参りました!


「ちなみに、私の祖父、サリーチェ伯爵とは、学生時代のご学友であられるそうで、幼馴染みみたいなもんだとおっしゃられていました。」


「まあ!サリーチェ伯爵と!素晴らしいわ!」


クールで博識なサリーチェ伯と穏やかな騎士のリュネット伯、面白い組み合わせですね!

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