第3話
「ああ、そうだわ!リュネット伯爵!」
「どうなさいましたか?リージー公爵夫人。」
「あなたの御子息とわたくしの娘オリヴィエを会わしてくださらないかしら?」
「えっ!?いや、しかし、私の長男は、随分と前に、妻と別れておりまして………」
ああああ、お母様、天然な性格をしているのは知っていますけれど、いきなりどうされたの?
わたくしと伯爵の御子息………?って、まさか、それは、もしかしなくても、お見合いですか?
わたくし、お見合いは、苦手なのですが………
「ご長男のことは知っています。離縁されて、娘さんがいらしてるのでしょう?でも、伯爵、あなたには、ご次男がいらっしゃりますわ。」
「ああ、そうですね。次男なら構いませんよ。ただ、オリヴィエ嬢が気に入るでしょうか?」
伯爵のご長男が、三年程前に離縁されて、まだ5歳くらいの娘さんがいるのも、有名な話ですから、わたくしも知っています。
ご次男が、確かに、わたくしと歳が近いらしいというのも知っていますけれど………
けれど、わたくしが、それ以上に驚いたのは、わたくしのお母様の発言です。
「ええっ!?お母様!?いきなりすぎます!」
「まあ!貴女は、もう二十歳になりますもの。貴族の娘にしては遅いくらいですよ?」
「それは、確かに、そうなのですが、お母様、わたくしがお見合いが苦手なのを、お母様は、一番よく知っているでしょう………?」
「ああああ、そうだったわっ!ごめんなさい!オリヴィエちゃん!」
わたくしの両親は、年若い頃に偶然出会って、恋愛結婚をしています。
幸せそうな両親を見ていたら、わたくしもそういう家庭が好ましいじゃないですか。
「オリヴィエ嬢、もしよろしければ、息子だけでなく、娘達にも会っていただけませんかな。家族ぐるみで、気軽に会えませんか?」
「まあ!それならば、大丈夫です!」
家族ぐるみで仲良くさせていただけるのなら、わたくしは、全然構いません。
リュネット伯爵は、ミラーリエ男爵家ご出身のリリーゼ夫人との間に、2男2女4人の御子息御令嬢がいらっしゃいます。
「わたくし、ご長女のイリーゼ様にお会いしてみたかったんです。従弟の幼馴染なので。」
「おおお、そうですか。では、オリヴィエ嬢、よろしくお願い致します。」
「ええ、伯爵、よろしくお願い致しますね。」
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