第2話
「オリヴィエ嬢は………」
「はい、なんでしょうか?リュネット伯爵。」
「年が少し離れていますが、いずれ、王太子のお妃様となられるのですか?」
レンテーゼ王国の国王陛下の第一子であられ、ご長男のアナスターシオ王太子殿下。
わたくしにとっては父方の従兄にあたります。
王太子殿下は、確かに、非常に優れたお方で、王族の未来も安泰だと思うほどでございます。
ですから、尊敬できますし、よく王太子殿下と婚約されるのですか?と聞かれはしますが………
「王太子殿下の、の御婚約に関しては、まだ正式に決まっておりません。ただ、わたくしは、王太子殿下の婚約者候補ではありませんよ?」
「そうですか。もうそろそろ、王太子殿下は、25歳。結婚してもちょうど良い年頃なので、お相手が気になりましてね。」
五歳年上で、兄と妹のように育てられたので、普段は、お兄様と呼んでいます。
王太子殿下も、わたくしを弟しかいないから、妹のようだ、とおっしゃっていました。
それに、王太子殿下は、隣国、ラウレア王国の国王陛下の第一王女殿下、ユーリシア姫と仲が睦まじいようですし。
つまり、わたくしは、王太子の妹的存在です。
「ええ、わたくしも、いつ婚約者を決めるのか気になっておりますの。ねえ、お母様。」
「ふふふ。王太子殿下なら、素晴らしいお妃をお選びそうで、わたくしも楽しみですわ。」
ああ、お兄様は、ユーリシア姫と、いつ頃に、御婚約をなさるのでしょうか?このままだと、国民から、勘違いされたままですよ?
まだ発表はされないようですが、とても美しく控えめで、お優しい方なので、王太子のお妃として、非常に相性が良さそうです。
「わたくしよりも、リュネット伯爵様のご長女イリーゼ様と第二王子殿下のアンジェロ王子の御関係が噂になっておられるようですが。」
「ええ。娘イリーゼと第二王子は、ご学友で、幼馴染でございます。」
アンジェロ王子は、王太子の弟で、わたくしの父方の従弟です。
18歳ながら、将来は、王太子の補佐として、騎士団長になられるのでは………と言われる程。
リュネット伯爵のご長女、イリーゼ様も、また大変有名なお方です。この王国で、一番美しい女性は、イリーゼ様でしょう。
「大変仲が良くて。ただ、婚約するかどうか、まだ分かりませんね。」
「そうなのですね。どうなるか、本人達次第、見守らせていただきます。」
「ええ、はい、ありがとう存じます。」
まだ、二人は、18歳ですからね、この二人がどうなるのか、楽しみでございます。
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