友達としかみられない
ルン
序章 そして彼女はいなくなった
0-1 そして彼女はいなくなった
思い出とは――ただの過去。
今日でも、ましてや明日でもない。永遠に届かぬ夢幻。
いくら思い出そうとも、いくら浸ろうとも、何も変わったりしないのだ。
「……ごめんね。友達としかみられない」
もう靄がかかって曖昧にしか覚えていない彼女の顔が、この時ばかりはハッキリと悲しい表情を見せる。
全てを過去にする万能の時間の波も、たった4年ではこの記憶を風化させるにはまだ年月が足りないらしい。
記憶の中で苦笑いを浮かべる君は、この時何を思っていたのか。
残された事実は、この時から俺の中の歯車は止まってしまったということだけだ。
『友達としかみられない』、この言葉がこびりついて離れない。
歯車が再び動き出すときは、果たして訪れるのだろうか……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます