第52話:ヤキモチ妬いてるの?
今まで七瀬は、
それが今回、思わず口にしてしまいそうになったわけだ。
直接デレ要素が見れる日は、案外近いのかもしれない。
思わずデレ発言をしてしまった後、七瀬はどんな反応をするんだろう。
きっと今までで一番可愛く思えるんだろうな。
妄想していると、七瀬も有村も配信の準備ができたようだ。
二人からサイトのアドレスが送られてくる。
その二つを同時に開いて、こちらは準備完了だ。
【一緒にランクマッチをやる、もう一人は決まったの?】
七瀬の動画にコメントで質問を送ると、早速気づいたようだ。
「あれ、[初号機]はもう観る準備できてるのね。
うん、決まったから今招待送ってる所だよ。
今回は[ハラマキ]さんって人と一緒にやることになったよ」
七瀬が話していると、ちょうど良いタイミングでハラマキさんがパーティに入ってきた。
「こんばんは、初めましてハラマキです。
今日はよろしくお願いします」
若い男性の声で、丁寧そうな話し方だった。
「初めまして、[みゆきち]です」
みゆきちが話したあと、[りさまる]もすぐに挨拶を返した。
「初めまして、りさまるです。
今日はよろしくお願いしますね。
じゃあ早速ランクマッチをやっていきましょうか」
りさまるが募集をしていたせいか、今回はりさまるが仕切り役でやっていくようだ。
ただ観ているのも退屈なので、二人の動画にそれぞれ[頑張ってー]とコメントを入れた。
今回は二人とも動画配信の宣伝はしていないので、視聴者数はどちらも数人だ。
その為コメントも付かないので、二人でゲーム以外のことまで色々と話している。
最初は二人の会話を聞いていることがほとんどだったハラマキさんも、試合マッチの中盤ぐらいになると普通に会話に参加し始めた。
どうやら最初は緊張していたらしい。
その頃になると、会話が途切れるタイミングがほとんど無く、誰かしらが話している。
会話も弾んで、なかなか楽しそうだ。
りさまるもみゆきちも、このゲームがけっこう上手くなってきているので、このランク帯ではレベルが抜けている感じだ。
ハラマキさんはまだ始めて間も無いといった様子だが、どうにか二人に付いて行っている。
たぶん問題無いだろうなーと配信動画を眺めていると、最初の試合マッチからいきなり一位を取った。
「わー、いきなり一位ですよ!
りさまるさんもみゆきちさんもめっちゃ上手いですね」
ハラマキさんが一番喜んでいた。
その後も二人を褒め続けていたので、よほど嬉しかったんだろう。
その後もすぐに次の
相変わらず三人のお
りさまるとみゆきちも、多少は緊張してたんだろう。
無理も無い、初めての相手と、初めてのランクマッチだからね。
話し方もだいぶフレンドリーになってきている。
……楽しそうだ。
二戦目は惜しいところで負けてしまい、二位になっていた。
まぁ動きはそんなに悪くなかったし、まだ何か言う必要は無いだろう。
次の試合マッチもすぐ始めるのかなーと配信を観ていると、りさまるが[ちょっと飲み物取ってくるね]と休憩を入れていた。
俺も何か取ってくるかと動こうとすると、スマホが鳴った。
見てみると七瀬からのメッセージだ。
《
最初のコメント以外に、全然コメントくれてないけど》
そういえばコメントしていなかったな。
《ごめん、楽しそうだったからコメントで水を差すのも悪いかなーって思って。
ハラマキさん話しやすそうな人で良かったね。
会話聞いてると、楽しそうな感じが伝わってくるよ》
とりあえず七瀬に返事を返し、俺も飲み物を取りに行った。
戻ってくると、今度は有村からメッセージが届いていた。
《
何言ってるんだ?
ちょっと考えてもよくわからなかったので、ひとまず返事をした。
《なんのこと? 別に不機嫌になってないよ。
七瀬が言ってたの?》
メッセージを送ると、有村からすぐに返事がきた。
《うん、そうだよ。
『
嬉しいなぁ、今回選んだのが男の人で良かった』
ってわざわざメッセージ送ってきたから』
やっぱり七瀬が言っていたのか。
ヤキモチ……、
どうなんだろう。
経験無いからわかんないだよな。
でも、俺は[何に対して]ヤキモチ
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