第21話:ベタ褒めの真相
あれ?りさまるは何て言った?
[カッコよかった]って言ってなかったか?
なんでいきなりデレてるんだ?
考えている間も二人は嬉しそうに話していた。
ゲームの画面は
「よし、この調子でどんどんやっていこうよ」
みゆきちが楽しそうに言った。
すっかりこのゲームにハマったようだ。
ずっと考えている訳にもいかないので、次の
◯
また1位になった。
二人ともさっきより動き方が良くなってきている。
相変わらず弾は上手く当たっていなさそうだが、良い感じにやりあえている。
「良いサポートがいると、思い切り攻められるからいいねー。
アドバイスも的確だし」
みゆきちが、また褒めてくる。
「すごく頼りになるよねー。
キャラの能力の使い方も上手いし。
[このキャラはこんな風に使うんだ]って思うもん。
ほんとカッコいいよねー」
りさまるも、また褒めてくる。
褒めてくるし、今度も[カッコいい]と言った。
……なんで急にデレて来るようになったんだ?
あれか?ゲームやるときだけデレるキャラなのか?
色々考えてみるが、正解は謎のままだ。
その後も数マッチやった。
どの回も終わったタイミングで、りさまるからやたらと褒められる。
◯
夜も遅くなってきたので、その日はゲームを終わることにした。
りさまるが褒めてくる謎は、結局わからないままだ。
「先に動画配信終わるから、ちょっと待っててね」
二人にそう告げた後、いつも通り終了時の台詞を言って配信を切った。
「配信終わったよー。
お疲れさま」
俺がそう話すと、まずは有村が反応した。
「お疲れー。
自分でやってみて、改めて思ったよ。
でも楽しかったー」
満足そうに言っているので、本当に楽しかったようだ。
次に七瀬が話しだした。
「お疲れさまー。
今日は色々キャラと銃を試せたから、良かったわ。
野良でやるとすぐ死んじゃうから、あんまり試せないのよね」
七瀬も満足そうだ。
まだ続けて話している。
「明日にでも今日の動画観ながら、細かい部分を教えてね。
今日は私とミユキでいっぱい褒めてあげたから、気分良かったでしょ?」
……唐突に今回の謎に対する解答が来た。
(そういうことか!!
くそっ、
椅子の背もたれに体重をかけ、天井を見上げた。
言葉も出ない。
不思議には思っていたが、確かに良い気分だった。
途中から七瀬を[ゲーム中だけデレるキャラ]に認定してしまっていた。
あぁ、恥ずかしい。
また手の上で転がされてしまった。
おそらく今頃、小悪魔顔でニヤニヤ笑ってるんだろうな。
「動画を盛り上げてくれてるんだろうなー、って思ってたよ」
七瀬に答えてみたが、
「ほんとかなー?」
と[明らかにニヤニヤしながら言ってます]といった感じの声で返事が来た。
くそ、バレてるじゃん。
今頃可愛い笑い方しているんだろうな。
とりあえず今回は諦めよう。
「とりあえず、今日はここまでね。
また明日学校でね」
俺が慌てて言うと、七瀬は笑いながら[おやすみー]と回線を切った。
続けて[明日よろしくねー]と言いながら有村が回線を切る。
女の子から[おやすみ]って言ってもらえるの、なかなか良いね。
でもまだ寝る前にやる事がある。
《今日ゲーム始めてから序盤辺りで、七瀬から[俺を褒めるように]って、連絡来た?》
メッセージを送ると、返事がすぐ来た。
このスパイはいつも優秀だ。
《一回目のマッチが終わった辺りで連絡来たよー。
[間違えて本音出ちゃったから、ミユキも
ってよくわからない連絡が。
とりあえずいっぱい褒めるようにしたけど》
え?
本音出ちゃったって、なに?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます