03:名前

演習用の機体がこちらに向かって動き出す。


私「ガトリングでメインカメラ狙って」


AI「了解」


私「ターゲットとの右に向かって走って」


ガシャン、ガシャン


走り出す


「ピ」音が鳴ってモニターに映るターゲットが赤に変わる


トリガーを引く


ウィーン・・・ガガガガガガ


機体の頭にペイント弾が当たり赤く染まる


演習機が動きを止める


私「左側に回り込んで」


AI「・・・了解」


言われた通りに動き出す、真横まで移動したところで


私(あ・・・きもちわる・・・)「体当たりして」


ガン


演習機がバランスを崩して倒れる


私(あ・・・限界かも・・・)「ロッドで頭ぶん殴って」


AI「了解」


ビー


警告音が鳴って殴る前に動作を止めた


AI「エネルギー残量が10%を切りました。撤退してください」


私「おい」


演習機が態勢を立て直してこちらに向き直る


オペレータ「演習終了・・・演習機は停止します。」


私「今のはトドメ刺すところでしょう?」


AI「パイロットと機体の保護が優先されています」


私「う・・・」


オペレータ「君、休憩長かったからね・・・2時間の予定が稼働時間超えた」


私「そうですか・・・ごめん開けて」


AI「了解」


私「おえ~」


オペレータ「マイク外してやってほしいな~」


私「ごめん」


オペレータ「落ち着いたら、戻ってくれる?」


私「了解」


オペレータ「判断と行動はよかったけどね・・・」


私「そう?」


オペレータ「でも乗り物酔いするパイロットってなに?」


私「私もそれには同意する」


オペレータ「ま、様子見かな」


私「あ・・・首にならないんだ」


オペレータ「変わり探すのも大変だからね」


私「そっすか」


オペレータ「戻ってシャワー浴びたらミーティングね」


私「了解」


帰還はAIが学習したようでコクピットの揺れが減っていた


私「ありがと」


AI「どういたしまして」


私「君の名前は何がいかな?」


AI「・・・」


私「6だっけ?」


AI「それは機体です、私は12」


私「じゃあさ、ゼクスとツヴェルフどっちがいい?」


AI「・・・ドイツ語ですか?」


私「うん、決定権はないか、じゃあツヴェルフね」


AI「はい」


戻ってシャワーを浴びて着替えてミーティングルームへ向かった


私「遅くなりました」


すでにミーティングは終わったようでオペレータと整備士の2だけ残っていた


オペレータ「お疲れ様」


整備士「お疲れ」


私「お疲れさまでした・・・みんなは?」


オペレータ「もう解散してますよ、あとは各チームで今日の演習の整理をします」


整備士「要望があればすべて記載してください」


オペレータ「ほかのチームは顔合わせとミーティングが終わって解散してます」


私「ははは、すいません」


オペレータ「体調は大丈夫?」


私「まあ、何とか」


整備士「課題はシートの揺れですか・・・研修の成績は?」


私「問題なかったんですよね・・・シュミレータはそんなに揺れないし」


整備士「そっすか」


オペレータ「なんかつけれそうな物ある?」


整備士「・・・探してみます」


オペレータ「よろしく、明日は武器の演習になるから移動はすくないかな」


私「助かる」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る