第2話

 フェ??


え、俺今なんて言われた?


放課後校舎裏に来い?

え?え?

告白?まさかの告白なの?

そんなことを考えていると朝言われた蒼真からの言葉が脳裏をよぎった。

『お前イケメンだし性格直せばイケるって!』


えぇ?えへっ

もしかしたら俺イケちゃってるぅ?

確かに考えてみれば柚月の顔がほんのりピンクに染まっていた気がしないでもない。


もしかしたら俺…モテ期?!

ってことは付き合って、あんなことやこんなことをッッッ





さっきからの一連の発言に読者の皆様には

寝ぼけていただけ。という言い訳をするのも

可能だが、隠しても意味がないので洗いざらい白状する。

正直な話俺は女に飢えていた。

彼女どころか女と喋ったことすらあまりない上、昔は隠の者同士仲良く語り合った親友でさえも今は陽の者へとグレードアップし、

ましてや彼女持ちなど俺が焦らない要素がない。

はっきり言おう。俺は彼女が欲しい。

めちゃくちゃ欲しい。

痛いくらい欲しい。

何を惜しんでも欲しい。


そんないろんな理由があったから俺はあんな妄想を膨らませてしまった。

その妄想のせいで傷つくこととなるとも知らずに—



校舎裏—そこは人気もなく告白にうってつけの場所。

放課後に来てとは言われたが、詳しい時間を知らされたわけではないので、授業が終わったら走ってすぐに校舎裏に来た。女性を待たせるのは礼儀がなっていないというだけであり、決して楽しみにしていた訳ではない。決して。だが中々柚月が来ない。もう5分ほど待っただろうか。もしかして俺が早く来すぎたか?そんなことを考えていると奥から足音が聞こえてきた。その足音の方角の角からひょこっと顔を出したのは柚月だった。

俺はこの状況で何をすればいいのか察して、

4歩ほど前へ出る。そうすると告白のような形になり緊張が増す。

「そ、それで、用件は何かな…」

そんなことを聞いてみるが正直用件くらい分かってる。これで分からなかったら逆に引くよ。完全に俺の心は緩みきっていて妄想が止まらなかった。次の瞬間までは…


「蒼真先輩に、これを渡して下さい!」


ん?


今何つった?


は?


え?


悲しみと混乱で言葉が出てこない。

実際うすうす察したいたのかもしれない。


信じたくなかったから期待しただけで結局

俺の予感は当たっていた。


おそらく1分間は沈黙が続いたと思う。

1分間をもってしても僕の答えはまだおぼついていた。

「とりあえず話させてくれ。まず、蒼真に彼女がいることは知っているか?」

やはり期待が一気に破られたのだ。

声はまだ震えていた。


「???!!!」


柚月はとても驚いていた。

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負けヒロインを勝たせるお話 橋本大地 @daichikun

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