第17話 隠し部屋、秘密基地って男のロマンだよね?

「はぁ…ったく。こんなところにこんな空間があるなんて一体うちの学園はどうなってんだ?」


「ふっ…よく言う。隠し通路の全てを把握してるくせに。」


「あっ、バレたぁー?」


翌日、京介はとある隠し部屋にて慎二と打ち合わせをしていたであった。


「どうりでいろんな情報を持ってるはずだよ新聞部は。…ところでなんで呼ばれたんだ俺は?」


「なに。同志には当日にちとイベントに参加してもらおうかと思ってな?」


「うむ。京殿にはわたくしと共に、まずはトラップを仕掛けてもらいたい。もちろんわたくしを縛ってくれても構わない。」


「繋がりがねんだよ!今の流れでどうやったらそうなるんだよ!口縛ったるわい!…そういや紫季。今年は同じクラスじゃなかったな。」


「うむ…京殿と一緒じゃないのは寂しいものだ…やはりどうだろう。わたくしを縛って常に持ち歩くというのは?」


「可愛い返しが台無しだよ!!」


さて、このタイムスリップしたかのような話し方をするドMは、紫苑紫季(しおんしき)。なんでも家が格式が高い名家らしく黒と紫のグラデーションのショートカットにスタイルの良さと美人系の顔のお嬢様だが、慎二と同じく新聞部で騒ぎを起こしている。愛華と共に去年同じクラスでよく3人や6人でもつるんでいたが、神出鬼没なためあまり会わない時も多い。


「愛華殿やつばさ殿、千冬殿はよく縛ってると聞いたのだが…Twitterで…」


「誰だよんなツイートしたの!?BANしてやる!どっちかっていうと行動縛られてんの俺だからね!?」


「ふっ…話もまとまったところで、同志たちは早速行動してもらいたい。俺はまだやる事があるからな!さらば!今年も爆発させて行くぞ!」


慎二は煙幕を使い消える。


「無事か京殿?全く…部長は容赦がない。」



「んー!(容赦がないのはテメーだよ!心遣いはありがたいけど、鼻と口塞がってんだよ!この殺人鬼!」


「む?おっと!すまぬ京殿…京殿がわたくしの口をあれで塞ぎたいとな?少し恥ずかしいが…いいぞ…?」


「んー!(言ってねえよ!自分で塞いでその口閉じろこのドM武将!)」


「ぷはー…ったく新聞部は相変わらず過激なやつしかいねえな。とりあえず、依頼みたいだしあのボンバーマンはほっといて行くぞ?」


「その新聞部の全員を負かせられるくせによく言うな京殿は?男気もあるし…やはりわたくしのご主人様は京殿しかいない!さっそくTwitterで…」


「なんて呟くか知らんがやめい!!バリバリ現代機器使いこなしてんのも腹立つわい!」


「そういえば京殿。チーズケーキ、美味しそうだったな?三人にあーんされてさぞ幸せだっただろうな?どうだろう。私も加えて両手両足に縄というのは?」


「なんで知ってんだよ!?花だよ!!両手両足に縄ってもはや拷問じゃねえかよ!?」


「なんでって…Twitterで…」


「やっぱりかいー!インスタに切り替えるようみんなに訴えかけてやる!」


「まあまあ京殿!細かい事は気にしないで早速参るぞ!」


京介はTwitterの情報網に恐怖を覚えながら紫季の後に続き、部室を後にする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る