源例

丹精を籠める

様々な角度から見直してみる

どこかで蓄えた記憶との合致を再確認する

煙草の残りを数えつつ、また煙を肥やす

さて今日は昨日の続きなのだろうか

答える声は未だない


昨晩の美学と小さな決意は

すでに何も語らず腐る

それらを片付けることから始まる一日に

少しずつ慣れながら

物を、そして事を、減らしてゆく


繰り返すトリート

棄てられた事例

拾う残滓

芽の出ぬ痩せた地

知るばかり実践は遠く

糧を失い飢えに抗う


積み重ねた慰めに否と言い

己の矛盾を見届けるだけ

からっぽの名前と肉体が

電子に無意味を刻む


ほしいものを手に入れる力

いくらでも夢をみ続ける脳

分断された現実を渡る機械

歩み寄りに飽き、記憶の束縛に蠢く


生老病死まのあたり

焦り迂回を試みて

とりつかれた自分の質量を確認する

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エレクトロ・メンタル・イメージ 丹沢夏筆 @natsufude

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