梨緒
「え?歌って3歳からピアノやってんだ!すごいね!」
パックジュースを片手に、昼休みのある日。
私は一緒にお弁当を食べていた
梨緒ちゃんは、スポーツ万能で明るい。たまに厳しい時もあるけど、頼りがいがあって学級委員の私はとても助かっている。
私が最近ちょっとだけ気になっているクラスメイトの青柳太陽君の幼なじみだ。
「ねえ、青柳君もピアノ上手だよね。」
「歌、あんた知ってたの?」
「うん。もしかして青柳君、みんなに内緒にしてた・・・・?」
「いや、隠してはないけど自分からは言ってないんじゃない?なんかあんまり広まるのは嫌みたい。」
「そうなんだ」
青柳君はピアノが上手かった。
でも、多分コンクールとかには出ていないのかもしれない。
名前を見たことは無かった。
「歌はピアノ習ってるし、余計なこと言わないタイプだから話すけどね、太陽ね、小学生の時にさあ、『ピアノは女の子の習い事じゃん』ってバカにされた事があったんだよね。
まあ、そいつらはあたしがぶっ飛ばしてやったんだけど」
「そっか・・・・。てゆうか梨緒ちゃんってそん時からそんなに頼もしかったの?」
「ん?まあほら、家族ぐるみで仲良かったしさ。太陽のお姉ちゃんもこんな感じよ。」
青柳君は、梨緒ちゃんとずっと一緒にいたんだ・・・と少しへこんだ。
みんなの知らない青柳君を知れて嬉しかったけどまだ更に知らない青柳君がでてきた。
「あ、もしかして歌、太陽のこと好きなの?」
ズバッとストレートなその一言にジュースを吹き出しかけた。
「あたしのこと心配してるなら無いわ。あたしは自分より強い男じゃないと無理だしさ。それに太陽は歌のこと、タイプだと思うし。」
「え?」
梨緒ちゃんはニヤッと笑った。
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