面談
桜の季節が過ぎて、それから新緑の季節になって、
俺、青柳太陽は高校二年生になってしばらくたっていた。
クラス替えなんて正直どうでもよかった。
笑って騒げて、学校生活が送れれば、それで。
友達も多いほうだし、どうせすぐにみんなと仲良くなれる。
だから特に心配することもなく、いつも通りの毎日を送るつもりでいたのだが。
「先週から面談始まってるからな。はい、今日は青柳君。」
担任の宮崎先生に呼ばれた。
「はーい」とホームルームで返事をしたのはいいものの、面談なんか本当に勘弁して欲しい。
宮崎先生は、理科の先生。
行事にはとても熱心な先生で、人情もある優しいベテランおじちゃん先生だと聞く。
面談しているうちになんとなく打ち解けた。
しかし、その後に宮崎先生は深刻そうな顔をした。
え?なんかやらかした?
「君の一年の時の成績なんだけどね・・・・」
・・・・やっぱり。
「ちょっとこれはいかんなぁ。副教科以外全部あひる(オール2)じゃないか。」
「・・・・そうッスね。」
俺は適当にそう答えた。
宮崎先生は続ける。
「今からならまだ取り返せるはずだ。君の作文を読んだよ。素晴らしかった。
それに音楽のテストは満点だし、家庭科なんて物凄いよかったじゃないか。
君はちゃんとやればできる人はずなのになんでそうなった。」
宮崎先生は「はあ・・・・」とため息を着く。
「授業は真面目に受けてくれよ」
「はい。」
そう言って面談は終わった。
作文を褒められて嬉しい反面、注意をされたことに少しだけへこむ。
授業はまじめににうけている。
しかし、退屈になるとどうしても寝てしまうのだ。
よく考えてみると、高校二年生。
進路を考えながらどうするか決めなくてはいけないのかもしれない。
「・・・もしかして、俺、やばい?」
一人でぽつりと呟く。
教室に俺は戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます