79話【数千年越しの姉妹喧嘩2】
◇数千年越しの
「――はあぁぁぁ!」
大振りで
そしてその地面に足を取られて、スィーティアは
「……うっ……く!」
しかしスィーティアは
肩でする息はドンドン
「しんどそうね?もう止める?」
ローザも汗を
その
「……誰が!」
舐められたと気付いて、スィーティアは意地でも立ち、
《石》の力を最大限に発動させて、身体能力の底上げを
「……お姉さま……絶対に
ローザは「もう充分味わったわよ」と笑いながらも、
◇
ローザの今回の目的は、《石》を
【
それを
しかし何よりも、
(エドガーは、あの
だからこそ、
彼の隣で笑っていたいと、心から思えた。
(こんなことで、逃げられる訳がない……たかが《魔法》を使えないという
彼の
《魔法》を使わない魔法使いの戦い方を、学ぶべきだと。
つまりローザは、剣士になる覚悟を決めたのだった。
「はあああああっ!!」
「……!」
スィーティアから目を
筋肉の動き、込められた魔力の流れを正確に
相も変わらず、スィーティアの剣は
一撃も、連撃による攻撃も、全て回避して。
「……っ!」
しかし
ローザは確かに強い。しかし、その強さは【消えない種火】があってこそだ。
しかしその
「……!――そこっ!!」
スィーティアも見逃さずに、
ローザが
スィーティアの目線で、彼女が狙った部位がローザにも分かった。
首。なんとも
「――ちっ!」
ガコッ――!と、スィーティアが振るった剣は
一刀にて切断できなかったのは、スィーティアの
「んあぁぁぁぁぁっ!」
スィーティアは全力で力を込めて、ローザが持つ
当然ローザが持つ
「……くっ」
「次は……首を斬ってあげるわっ……お姉さま!!」
「――ちぃっ!このっ!」
スィーティアは
ローザはもう、完全に回避するしかなくなっている。
動きを見切り、
「何度も何度も!同じ手を食うかぁぁぁぁ!」
ローザの回避ステップにも
「!」
チッッ――!!と、肩を
たったそれだけなのに、物凄い痛みと熱さが、身体を
「――いっ……つっ!」
(……マズい!!)
片目を閉じ、慣れない痛みに
もう、スィーティアは攻撃モーションに入っていた。
(
下手をすれば切断、もしくは
覚悟をして、腕一本をくれてやろうとした直後だった。
「ローーーーザァァァァァァ!!」
本当に一瞬だが、
赤い
「「――!?」」
ガギィィィィィィン!!
スィーティアの剣を
それは、目の前の地面に突き刺さる、一本の
「……これは……エミリア!?」
ローザはエミリアを見る。
すると、何かを投げたような
【
エドガーがエミリアの為に
聖王国の
「――使って!ローザ!」
エミリアの言葉にローザは
その瞬間に、地面からは炎が
「……あ、熱い……これが、私の炎……?」
槍を持つ手が熱い。
「
「は、あはは……あはははは!!」
「――そんなに
槍を持つ姉の姿が、
「
「……」
いつだって、
炎を
しかし、《石》を
数千年の時を
だからこそ、コテンパンにしてやって、自分を認めさせようとしたのに。
それなのに。
「槍を
スィーティアは言い終えると、剣を仕舞おうとする。
こんなお遊びは終わりだと、やっていられないと
しかし、そんなスィーティアの
「……何のおつもりですか?」
ローザが、槍をスィーティアに向けて差し向けていた。
「ここまでやったのだし……ケリをつけましょうよ」
「……そこまで言うのなら」
やっていられないとは言うが、これはスィーティアにとってもチャンスだった。
あの槍からは魔力を感じる。
それはつまり、【
元の位置に戻りながら、スィーティアも口を
(
そう、これは
スィーティアだって、ローザの性格は
いつ
(これで、《石》の力を全力で出せる……!お姉さまを叩き
そして、決着の時は着々と近付いてきていた。
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