78話【数千年越しの姉妹喧嘩1】
◇数千年越しの
私の人生は、何度も何度も
それでも、私は選んだ。
転がされるのではなく、
運命と言うものがあるのなら、私の運命は
それは――
同じ
◇
誰がこの
それが、それだけが。私の
そうすれば、国も、世界も、私がこの手に
目の前にいる姉は、
それを私は、
一度私に負けた事を、もう忘れたというのか。
《石》を使わないままに戦闘を始めて、一手目は
だがしかし、それでも剣技で負けるとは思わなかった。
ロザリームは魔法使いだ。それは当然、転生前から変わらない筈だ。
私が転生を何度も何度も
きっと今の為だと確実に言える。
一方で、ロザリームは元の世界の姿のまま。
だとすれば、ロザリームは転生したわけではない。
何らかしらの方法で時を
転生前の時代、姉を閉じ込めていた
恐らく、その時にこちらの世界に渡って来たのだろう。
まさか、数千年もの時を
だが、私のやるべきことは変わらない。
今、目の前にいる姉を叩きのめし、認めさせてやるのだ。
私のほうが、
◇
「
「そう?大した事ではないわよ。
それが更に、スィーティアを
「――はんっ!私に負けて、
「……そうね。そうかもしれないわ」
「……っっ!!」
ギリッと、歯を
別人と見間違うほどの
「ライカーナ……いえ、スィーティア王女。私は今、
「――なんですって……!」
「大方、今回のお遊びも……私を
「……」
「悪いけれど、私は
「――アルベール・ロヴァルト!!」
「!?」
ローザの言葉を
当然
「は、はいっ!」
アルベールはスィーティアのもとに向かい、
「……剣を」
「……え?」
「――剣と言ったのよっ!さっさと寄こしなさい!!」
「し、しかし……今は
そんなアルベールに声を掛けたのは、ローザだった。
「
「「――ローザっ!」」
ローザの後方で
それでも、ローザは片手で二人を
「ようは負けなければいいのよ。なにも心配なんて
長い髪をファサリと
しかしその
ローザは、心配そうなエミリアの
「私たちの時代では、
「……え、ええ。その、通りよ」
ぎこちなさを感じ取るも、アルベールはそれ以上の
「――スィーティア
「――うふふ。分かったわ、
もう一人の
「はい。ケインも喜びます」
「……下がりなさい」
「――はっ」
スィーティアは
造りも素材も普通の剣。特別能力などない、この国では一般的なものだ。
それでも、スィーティアは満足気だった。
「ふふふ……さぁお姉さま。再開しましょうか……」
「そうね。いつでもいいわ」
ローザは
だがそんな事を気にすることなく、スィーティアは自分が勝つという一点だけを考えて、剣の切っ先をローザに向けた。
◇
今もローザとスィーティアは戦っている。
しかし、もう一度言う、
「……
声を
「……」
そして、
「はあぁぁっ!」
「――ふっ」
スィーティアの斬撃は、ローザの真横を
すれすれで
スィーティアの身体は汗で
それはローザも同じであり、《石》のバフが無い
しかし
《石》の力がないとはいえ、ローザが積み重ねてきた戦闘の
一方で、スィーティアの戦闘経験は
幼い頃に《石》の使い方を教えてくれた貴族の男性は、
今、剣を持っているとはいえスィーティアのスタイルも《魔法》寄りなのは
そして最大限に違うのは、ローザとスィーティアの天性のバトルセンスだ。
「……くぅ……はっ」
剣を杖代わりにして、スィーティアは
ポタリポタリと
「……はぁ、はぁ……」
ローザは肩で息をしながらも、
そんなローザを、スィーティアはキッ――と
「――まだ、まだよっ!」
下に見られたと
剣を大振りに振るい、ブウンと音を鳴らすが、ローザは簡単に
(
スィーティアの【
しかし、その効力は
魔力を
確かに《石》は発動はしている。しかし、効力は一切
その理由は
お
スィーティアは、姉をもう一度コテンパンにしてやりたいと考え。
ローザは、今自分がすべき事を明確に
たったそれだけで、二人の立場は大逆転していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます