77話【自分の力量】
◇自分の
【リフベイン聖王国】の首都【王都リドチュア】。
その中央に位置する、リフベイン王家の住まう【リフベイン城】。
空は気持ちのいい
多少の優しい風も
しかし、場所は王城の
今にも
一人は、燃えるような赤毛のロングヘアーをし、その
名をロザリーム・シャル・ブラストリア。
そして
名はスィーティア・リィル・リフベイン。この【リフベイン聖王国】の第二王女だった。
スィーティアは、
この二人、実は姉妹である。
血のつながりは無い。スィーティアは、ローザの
詰まる所、ローザの
彼女は、何度も何度も転生を
こうしてまた、自分の姉の前に立っていた。
目的は、ローザが所持していた《石》、【消えない種火】を
だがその目的は、
先日、
あれだけ
そして今は、自分にも《石》がある。【
その力を持って、ローザの《石》の力を
それだけの自信と、今まで勝てる見込みがなかった姉に勝てたという
「――さぁ、お姉さま……
スィーティアの
その様子にスィーティアは「張り合いが無いわね」と両手を上げて、
切っ先を向けた剣を下ろし、
「……もう、やる気がないのかしら?お姉さま……」
今までのローザを知っている分、スィーティアは姉に合わせた攻め手で
上からな
しかし。あの日
◇
エミリアに手伝って貰うまでして、本当に
そのおかげで、身体は
様子を
(今も、
ローザは右目を優しく押さえた。
【消えない種火】を常時発動させていた時は、オーラを
それがこの世界に来てからは、魔力の回復自体が出来なくなっていた。
魔力を使う機会が減り、フィルヴィーネの魔力の
それでも今、ローザは魔力を使うつもりがなかった。
それは、スィーティアの
ローザは、ゾーンに入っていると言ってもいい程、自分の事だけに集中出来ていたのだ。
「……よし」
「――あら、やっと時間稼ぎが終わったのかしら?」
腕を伸ばしながら
「ええ、悪かったわね。準備は出来たわ。それに――普通の人間と同じルーティーンをしてみたかったのよ」
「――!!」
それでも、今のローザの顔は覚えがあった。
(まるで……昔の事のようね……)
自分がゾッとしてしまった事に対して、スィーティアは
それはまだ幼少の頃、
そう、初めて《石》の所持者になった時と、同じだった。
「お姉さま、ようやく準備が出来た様で何よりだわ」
持っていた剣をカツカツ鳴らして、スィーティアも中央へやって来た。
「そうね。これで
「……ふんっ!」
ローザの言葉を、スィーティアは言われた鼻で笑う。
誰がいい気になっているのかと言ってやりたがったが、ローザの笑顔が
「では、
「あら……
「――っ!!……くっ」
スィーティアは顔を赤くした。言われた意味が、素直に分かってしまったからだ。
やけに
過去を思い出し、先程までの
「――くだらない事を言っていないで、始めましょうよ……お姉さまぁぁっ!!」
言うが
「……な!!」
ガゴン――!!と、
そして
完全な不意打ち、しかも力を乗せた一撃だ。
「――私の準備は、出来たって言ったでしょう!」
ローザはその不意打ちを、完全に
「くっ!!」
「――はっ!」
カコッ――と
その瞬間を、ローザは左手で持った
スィーティアは
しかし次の瞬間には、左方面からローザのブーツが見えた。
「ぐっ!!」
何とか左腕で
しかし、ローザは。
「――ふっ!」
「このっっ!」
ローザは
まるで
「
「
「――その名で!!」
今はスィーティアだと、転生前の名を呼ばれて顔を赤くするスィーティア。
しかしローザは、その場で
「なっ!――がっっ!」
空中で
そのままスィーティアは横ばいに倒れ、ローザは更に
「――!!」
何とか、スィーティアは両腕をクロスさせて防御し、少しだけ
そして
「……
「誰かさんのお陰で、ね」
後ろで見守るエミリアをちらりと見やって、ローザは笑う。
(今、私の
本来、ローザは魔法使いであり、剣士ではない。
しかし、今は剣を
《魔法》で出来た剣ではなく、木で出来た
しかしそれでも、
今の自分の――《石》に頼らない戦い方を。
ロザリーム・シャル・ブラストリアが今
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