69話【帰還者2】
◇
翌日の午前。
王都の最南、【
下町の住人たちは、頭に
それは
【聖騎士】が帰ってくると言う事自体、知らされていないからだ。
全く
そんな中、エッグゴールドの金髪を肩にかけ、正装に身を
その隣にも同じく緊張した、少女と同じ髪色の青年が居り、正装をしている事から考えても、この二人がこの騎士たちの中で
「おい、お前緊張しすぎだろ……」
「兄さんこそ……顔青いんだけど?」
新人【聖騎士】の二人。
アルベールとエミリアのロヴァルト兄妹は、【聖騎士】を代表して、迎えの大役を任されていた。
理由としては、新人としての
「誰なんだろうね、
「誰だろな。南方に出ている
アルベールは
現在【聖騎士】の数は、新人の二人を
隊長のクルストル・サザンベールをはじめ、副隊長のオーデイン・ルクストバーとノエルディア・ハルオエンデ以外の【聖騎士】が
今王都にいるのは、ロヴァルト兄妹を
半数の【聖騎士】を南に
残りの【聖騎士】五人の内、三人は騎士学校の
それ自体は知っているし、勉強もした。
アルベールは、誰が来ても対応が出来るように、
しかしそんな様子は、隣で緊張するエミリアからは全くと言って良いほど感じられないのが、なんとも残念な事だが。
「……誰が戻って来ても、俺等が
「わ、分かってるよ……」
「そんなこと言われたら
そんなエミリアの頭をポンポンと叩き、アルベールは笑ったのだった。
◇
少しして、南門が
確認の為、
「来たっぽいね……」
「だな。出迎えるぞ」
それでも、国の
二人は大通りに出る。一頭の馬が歩いてくるのを確認すると、それに合わせて
頭を下げる二人の前で、パカラパカラと
止まってくれたようで一安心だ。
「――頭をあげてください。その
優しそうな
エミリアとアルベールも、その声に合わせて顔を上げた。
「……無事の
「……で、です!」
少し間が開いたのは、顔を確認したからだ。
「ええ。ありがとうございます……お二人は、新人の【聖騎士】ということで間違いなさそうですね。出迎え、感謝いたします」
灰色に近い白髪の女性騎士オルドリンは、優し気に二人を見やり、その形式を
胸に手を当て、礼をする。
その胸には剣を
「早速で申し訳ありませんが、セルエリス
「「は、はいっ」」
当たり前だが、オルドリンは王城への道は知っている。
それでも案内を頼むのは、新人【聖騎士】である二人の仕事を
三人は用意された
オルドリンが乗ってきた馬は、他の騎士が
馬車に乗り込むと、オルドリンが
後頭部でまとめられていた髪は、ふぁさりと
重力に逆らうようなウェーブがかかっていた。
何とも気品のある女性だと、兄妹は同時に思った。
そしてオルドリンは。
「お二人も大変ですね。新人と言う事は、騎士学校の卒業生ですか?」
「は、はい。あ……!すみません、
アルベールは頭を下げ、
お前の番だ、と。
「エ、エミリアです!エミリア・ロヴァルト……よ、よろしくお願い致します!!」
「ロヴァルト?」
二人の
その
それにしては身長差凄いですね、って感じで二人を見るオルドリン。
「あ……えっと、一個下です……」
「へぇ……」
卒業生は
エミリアが
「……ぅ」
「あ、ごめんなさい……仕事上つい、ね」
オルドリンの
エミリアがどんな子なのかを、
「いえ。俺たちも、
「……ありません」
「ふふふ……面白いご兄妹ですね。これからよろしくお願いしますね」
オルドリンはアルベールに手を差し出す。
アルベールはそれを取り。
「
オルドリンは次にエミリアに。
エミリアは手をゴシゴシしてから。
「ご、ご
「
オルドリンは笑顔で
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