68話【帰還者1】
◇
エドガーが
【リフベイン城】では
「おいっ!そっちじゃないって!」
「悪い!でもあっちからも
「人手が足りないって!」
「メイドを使えば……」
「メイドはメイドで準備があんだってよ!」
「【聖騎士】様が
こんなにも
南方の国【ルウタール王国】を
その報告の
早ければ翌日、つまり今日には王都に
また急な話だと、セルエリスですら
騎士やメイドが、だが。
◇
(……何かあった事だけは確かね。でもこの文字、誰が書いたか知らないけど、いったいどれだけ
誰が戻ってくるかも書かれていない
しかし押された【聖騎士】の
(それだけの事が南で起こっていたとしたら……西ばかりを気にしてはいられなくなる)
南国【ルウタール王国】は、大人しい国として有名だった。
しかし、
いざという時の為に、【聖騎士】数人を
その【聖騎士】の一人が、
(やはり、南の
セルエリスは
(
不安な
(それか……やはり、余程の
気にしなければならないことが増えた。
セルエリスはもう一度、聞こえる程の大きなため息を
この場にいるのは
「――
その騎士ヴェインが、
セルエリスも、一瞬で王女のオーラを
次の瞬間に、
入って来たのは、
「失礼しますわ、姉上」
扉を
「……ティア?」
セルエリスは「
本音を言えば、「何をしに来た」だが。
「ご
「……」
(――は?何を考えているの?
それだけ、妹との関係性が悪かったと言うのが正直なところであり、セルエリスもスィーティアも、両者ともに
だが、スィーティアは少し理由が変わっている。
それはやはり、
「姉上にお願いがあり、
「お願い?」
「はい」
「……」
妹が自分に頭を下げてまで願い出る事など、かつてあっただろうか。
この場に三女のローマリアがいれば、その衝撃で
セルエリスですら、内心目を見開くくらいは
実際は必死に
「言ってみなさい?」
「ありがとうございます……では」
スィーティアは顔を上げて、
「帰ってくる【聖騎士】の一人……誰かは知りませんが、私に
「……――!?」
どうやらスィーティアは、戻ってくる【聖騎士】を自分の
セルエリスは一瞬だけ
「いったい
これは、今まで自分の騎士を持たず、
最近、スィーティアが新人の騎士を使いにつけた事は知っているが、事件(部下殺害)を起こして以来、スィーティアが部下をつける事は無かった。
それが急に、部下を持ちたいなどと言い出すとは予想も出来なかった。
しかも、
「いえ、私もそろそろ王族の仕事を……まともにしようかと思いまして……」
スィーティアは、今までの自分が
「――そういう事ですので、お考えの程……お願いいたしますね……エリス姉上」
今すぐの答えはいらないという事なのか、スィーティアはセルエリスの返答を待たずに帰っていく。
「……
言葉を
セルエリスも大いに
「――ヴェイン」
「は……失礼しました」
「いえ、そうではないわ」
「?」
ヴェインは勝手に口を開いたことを
「ティアの最近の
「……かしこまりました」
「まるで
自分の妹に何があったのかを知らない長女セルエリスは、
ギィ――と音を鳴らす
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