エピローグ3【帝国内乱2】
◇帝国内乱2◇
「――そして
「――そんな
すぐさま
父が死んだ?しかも殺したのは兄?
そんな事を急に言われて、信じられるだろうか。
しかしエリウスの
だが、この年上の女性達にからかわれていると、そんな
「……どうして……いったい、何が……兄様……」
下を向き、
そんなエリウスに、スノードロップが更に説明をしてくれる。
その声音は優しく、気遣いをしてくれている事は分かる。
「
「兄様……なぜ……このような……」
話を聞いているのか分からないが、スノードロップは続ける。
「これからは、内乱が始まる事でしょう……
スノードロップの言葉に、ノインが続ける。
「
スノードロップとノインは、シュルツ・アトラクシアの部下だ。
しかし、その行動は
「――正直言って、シュルツ様のお考えは理解に
二日前のあの日、スノードロップとノインは、シュルツと共に城に向かった。
目的は、【魔女】ポラリスから事情を聴くためであった。
しかしそこにポラリスは
「ラインハルト
「そうね。それに『はい』と返事をしたシュルツとはもう、完全に考えが違う。だからこそ、アタシ達は
「わた、くしを……?」
二人は
「はい、
“お力”と言うのは、【
そうなれば、異世界からの
「
考えが上手く回らない。
これ以上何ができるのか、何をしたらいいのか、一切の考えが一瞬で消えてしまう。
「
「ええ、そうね。ポラリスが
【魔女】ポラリスは《転移魔法》を使える。
異世界人である以上、エリウスの力を恐れる可能性もあるが、ラインハルト
「……」
「お疲れではありましょうが、明日……いえ、今日の夜には
“天使”らしくない一言だった。
「お前達の
エリウスの質問に、ノインは少しだけムッとして。
「――別に
「?」
まるで、シュルツ・アトラクシアが
「まぁそういう事です。わたくし達も、決して
「……
「とにかく、夜まではお休みください……準備が出来
「……え、ええ」
スノードロップとノインは、ふらつくエリウスを支えて二階に連れて行った。
その後、一階まで降りてきて。
「……こうなる事は
『
それは、ラインハルト
形が違うにせよ、目的は同じだったラインハルト
スノードロップとノインは、確かにシュルツの仲間だった。
本来は【魔女】ポラリスともう二人、大切な仲間がいたのだが、その二人はもういない。
しかし、スノードロップとノインには目的がある。
それを果たすため、今エリウスの持つ【
「――向かいましょう……【リフベイン聖王国】に」
「ああ。そうしよう……
ノインはスノードロップを見る。
「無理ね。エリウス
「それもそうか……シュルツが見逃してくれればいいけど」
「多少は平気なはずよ。順番が違うとはいえ、国の
「――だが、いずれは
「……
軽く言うスノードロップに、ノインはため息を
「はぁ……ホント、シュルツは好きなのね……あの子が」
ノインの言葉に、スノードロップも。
「ふぅ……そうですね。
「「……」」
二人同じく思い出されるのは、茶髪の少女の優しい笑顔。
「……わたくし達も少し休みましょう、長くなりますよ。これから……」
「そうね。月が出ている内は、アタシが見張りをしよう」
そう言ってノインは窓に向かう。
「ええ、よろしく」と、スノードロップはそう言いつつ、考える。
「……巻き込みたくはありませんでしたが、そうも言っていられませんね……」
スノードロップが思い浮かべるのは、
帝国の
「ですが……あの方なら……きっと」
遠い地、【リフベイン聖王国】。
その場に向かうため、“天使”は
聖王国を巻き込んでいくであろう、帝国の内乱。
今はまだ見ることの出来ない、世界の物語。
その中心部にいるのは、
――【召喚師】エドガー・レオマリスなのだから。
~帝国内乱~ 終。
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