28話【王女と王女の火種2】
◇王女と王女の火種2◇
スィーティアが
その手袋の下にある赤い宝玉は、ローザの意思が切り替わった瞬間に効果を
「――……《石》よっ!!」
一瞬にて、今まで
生まれた炎は《魔法》によって
その高熱は魔力によって短剣を形作り、スィーティアの剣を押し返していく。
ローザはその短剣を
「あははっ!そう、それぇぇ!!」
目を見開いて、狙っていたものが現れたと、
戦いに
「はあぁぁっ!!」
「……――ふっ!」
ローザは右手に持った赤い刀身の短剣で
当然ローザは平気だが、スィーティアに降りかかる火の粉は
「
「ほらほらぁ!!」
「――聞く耳持たずって……この
誰が口にするのかと、どこぞの“魔王”様が言いそうなセリフを
「……あらら、
「今……?」
スィーティアは、自分の事とは思っていない様に確認していた。
ドレスはボロボロで
「うん。これでいいわ……あれ?」
遠目に離れたローザを
「――いやいや……ローザ・シャル。
両手を大きく広げて、クスクスと笑う。
「……」
「ちっ!」と舌打ちし、舐めていた事を
ローザがそう思うほど、スィーティアの力は異常だった。
全力で戦えないと分かっていても、この世界の
◇
「……ロ、ローザ……」
戦いを見届けていたローマリアは、恐れる姉と
「ティア姉上がここまでとは……
動けすぎるのではないかと、ローマリアは言いたいのだ。
明らかに、常人を
腕力、速力、
彼らの
ただ一つ言えるのは、スィーティアが戦え過ぎているという事だけは分かる。
「……始まる……!」
そうこう考えている内に、スィーティアがローザに走り出していった。
ローマリアはそんな姉を目で追いながら。
「姉上は、どうしてそんなに……」
当たれば
対して、ローザの攻撃は火の
もし数値化する事があれば、確実にスィーティアがダメージを受けている筈なのだが、笑みを浮かべて楽しそうにローザと
「……っ」
「そこっ!それっ……ほらっ!!」
ローザは、攻撃を防ぎながら
そして大した時間もかからず、その時は
◇
「……はぁ……はぁ……」
カラン――と、スィーティアが剣を落とす。
焼け
「まったく……ここまで時間が掛かるものだとは思わなかったわ」
(負けようなんて甘い考えを持ったのが間違いだったわね……)
その斬った空間は
「さん……そ?」
「そうよ。
炎は
スィーティアはそれに気付かず、
満面の笑みだ。
(
「楽しいわ……ローザ・シャル。こんなに楽しい戦いは、あの人以来……」
「……あの人……?」
「――はぁ、はぁ……あー、苦しい。炎ってそういう使い方もあるんだ……」
心の底から戦いを楽しんでいるような、死を恐れない異常な精神。
すぅーっと、息を吸い込み、スィーティアは左手に
「これなら、
「……《石》……」
スィーティアの《石》は【
ローザの《石》と同じ赤系統の《石》であるが、その効果は炎ではない。
「《石》よ……
「……――!?」
スィーティアの
「その《石》……【
(それでも、そこまでの力を
「
「それはどうも……」
(……魔力を持たない筈のこの国の人間が《石》を使えるということは……あの《石》は相当古いもの……長年の
どちらにせよ、魔力を
「あースッキリした。
「……このっ」
焼けて更に短くなったドレスをひらひらとさせる。
《石》と同じ朱色の髪が、
「……!っ――!?」
ローザの顔色が変わる。
一瞬、重なる
「……今のは……なんで……!」
目の前にいる髪を降ろしたスィーティアの
「……ん?」
その姿に、ローザは更に胸を
(似ている、あの子に……
スィーティア・リィル・リフベインの姿が、元の世界で別れたはずの、ローザの妹。
自分を
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