02話【代わってしまった日常2】
◇代わってしまった日常2◇
翌日、
まるで子供の泣き声の様な、この宿では有り
正直メルティナも混乱しそうになったが、ローザとフィルヴィーネに事情を説明されて
メルティナはサクラの部屋に戻り【
そして結果は――
『……
『
『イエス……そのままの意味です。サクラの
『名前が、無い?』
『イエス……』
腕組みしながら何かを考えるローザ。
だが
『――ひっ!!』
近付くローザに
『……はぁ……サクヤ、この子に自己紹介をさせて。私が言っても
何かを
『し、
そう言い、サクヤはタオルケットを
『――姉上っ』
『……こ、これっ!……ほら、皆に
『うぅ……はい』
サクラは入り口近くに立つ
『……
『……やはり、そうなのですか……』
『……サクヤの妹、か』
『……サクヤ、ちょっと』
『……?』
そしてエドガーは、サクヤを呼び部屋を出る。
合わせるようにローザも移動し、残されたのは
『……』
『
エドガーは考えるように
『……あの子、コノハちゃんは……サクヤの妹さんで間違いないんだね……?』
『……!――は、はい……
『……そっか。分かった……――ローザ』
『……何?』
壁に寄りかかり、腕組みしてエドガーとサクヤの話しを聞いていたローザに、エドガーは考えていた事を
『……今日、メルティナに城に行ってもらう。そうすれば、近いうちにローマリア
『……ええ』
回復したばかりのメルティナには
『――ローザ。王城に行ってほしい』
『……反対、していたんじゃないの?』
ローザは、ローマリア王女に
エドガーとサクラは、それに反対していたのだ。
しかし今、その事を
『――でも。ただ行けって
ローザの言葉に、真剣な
『
『――城で調べて来いって事ね……』
『――!!そ、それではローザ殿……ここを
声を上げたのはサクヤ。
しかし、大きさを間違えたと自覚し口を
『どうして
『いや……しかし……』
『サクヤ、いいんだ。もう決めたから……ありがとう、
『……
気を取り直して、エドガーはローザに向き直る。
真剣に、
『……サクラを助けたい。コノハちゃんがいなくなればいいなんて思ってないけど……サクラの記憶を戻さなければ、何も始まらない……進めないでしょ?』
『……そうね。サクヤも同じでしょう……確かに、妹の生まれ変わりであり、記憶も今は妹そのもの……でも』
エドガーとローザはサクヤを見る。
サクヤは、始めから考えていたであろう言葉を
『――はい。妹は……コノハは、ここにはいない存在です……それは、わたしが一番分かっています……コノハの命を
その
今ある現実は、
⦅強いわね……サクヤ⦆
胸に当てた左手をギュッ――と強く
不意に出逢う事になった最愛の妹は、居てはいけないものだと自覚し、別れを
それは、
ローザは、そんなサクヤに
『そういう訳だから、頼むよ。
『……――き、気付かれていましたか……
室内で聞き耳を立てていたメルティナに、エドガーは笑顔で願う。
『隠れてないで普通に聞けばいいでしょう……?』
確かに、隠れる必要は一切ない。
静かに笑みを浮かべながら、エドガーは室内に戻る。と、
『こんにちは。僕はエドガーって言うんだ……君のお姉さんの、お友達だよ』
『姉上の……?』
少しだけ、どう言えばいいのか考え、笑顔を見せながらコノハに優しく自己紹介をする。
コノハは、
『こんにちは……エドガー……殿』
はにかみながら見せる笑顔は、やはりサクラの
『ではローザ、行ってきます……』
コノハの相手をするエドガーにも
『ええ、「なるべく急いで」って急かしてやりなさい』
『イエス。エミリアなら、今夜には来そうですね』
『でしょうね』
『……では』
『――待つがいい』
メルティナは部屋を出ていこうとしたが。
しかし、そのメルティナを引き
ベッドに座っていたリザをむんずと
『――ひぃっ!』
『……っと』
完全に予想外だったリザは、しゃくり上げた悲鳴を出して、メルティナの胸に受け止められる。
『フィ、フィルヴィーネ様ぁ……』
『――連れて行け。ついでに、エドガーの幼馴染とやらに、
エミリアは、フィルヴィーネがいる事を知らない。
ややこしくなる前に先手を打とうと言うのだろう。
会ってもいないのに、まるでエミリアの性格を分かっているかのようだ。
事前に小さな“悪魔”リザを見せておけという事もあるのだろうか。
『了解しました。プチデビル・リザ、協力を願います』
『しかたが……――って誰がプチだっ!!』
見事に
そんなことを言いながらも、リザはメルティナの上下一体のレザーワンピの胸元に入り込み、ふぅと落ち着く。
『――では』
今度こそ、メルティナは外に向かった。
『……だ、大丈夫かしら……』
どことなく、不安を
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