163話【魂が巡る場所1】
◇
エドガーが全員に
ジュースで
怒りはしないが、まぁ
そして今、フィルヴィーネとリザはドラム缶風呂ならぬ
声ははっきりと聞こえるので、このまま話を進めてくれとの事だったが、
ローザとサクラ、それにサクヤは、テーブルに着きながらエドガーが
フィルヴィーネとリザは風呂。メルティナも
「なんか……
「いいのよ別に……
「……」
サクラは一つ気付いた。
ローザが
特にローザは、男の名前を呼ばない。呼ぶのはエドガーだけだ。
それ以外の男性、エミリア・ロヴァルトの兄アルベールや、【
そんなローザのサクラに対する
今回は、サクラ達を遠ざけようとしている。そう感じた。
(何か理由があるのかな……?まさか、好きな男の名前しか呼ばないなんて、そんな事ないよ……ねぇ……
考え過ぎる悪いところが出たと、サクラは切り替え直した。
◇
ローザは背伸びをして身体を
「んん~!」と大きな胸を張り上げて、
「凄いわね……この星空」
「そう言えばそうですね。あたしの世界での
「……お
「いや言い方!……空が
《戦国時代》の
今では【スマホ】の
まぁその【スマホ】には、サクラが
何が理由で笑われているとも知らずに、サクヤは。
「――そうであろう!わたしは意外と出来る
ローザの隣に立って、同じく胸を張る。
というか、何でわざわざローザの隣に立ったのか。
「
「……ま、ここに来た当初よりは……そうかもしれませんね」
「……嫌いではないな、確かに」
「どの口が言ってんのよっ!!」
「――ふあぁぁぁっ!いはいいはいっ……!」
ローザの言葉に、サクラは
当のサクヤの返答ときたら、少し
サクヤの口を真横に――びぃぃぃん!と引っ張るサクラ。
◇
風呂から上がってきたフィルヴィーネは、のぼせたリザを頭にのせて戻って来た。
一緒に
「リザよ……お前は少し、その身体に
「はぃぃ……ニイフ様ぁぁ」
身体のサイズそのものが小さくなり、魔力もほぼ無しに等しい“悪魔”のリザ。
魔力の
(……あののっぺらぼうが、リザを
頭に乗る、
リザは“召喚”された異世界人達と違い、身体を作り変えられている訳ではない。
そのままの姿を、魔力の
その点を
(……だから、答え合わせをしなくてはな……あののっぺらぼうと、エドガーの
あの場所――【
魔力の
【召喚師】エドガー・レオマリスにそっくりな、光の
異世界人全員が会っているであろうその存在と、《契約者》――エドガーとの関係を。
◇
「あ、暑かった……」
「ふふ、ご苦労様。エドガー」
「うん……ありがとう。休憩は終わったんだよね?」
「ええ。
「分かった……」
冷めたコーヒーを飲み直して、
(結局……何も考えが進まなかったな……)
フィルヴィーネの風呂の
ローザは、王女の
それはもう、仕方がない事でもある。ローザが決めた事に、エドガーがとやかく言う
出来る事と言えば、
(ローマリア
安心出来る材料は
だが、不安材料が多くあるのも事実。
【召喚師】であるエドガーが城に入ることは出来ないはずだし、そもそも【召喚師】を“不遇”職業にした
バレたら
(でも、でもだ……歴代の【召喚師】、特に祖父は……城にお
ローザの強さがあれば、もし【召喚師】の関係者だと知られても、逃げ出すことは
きっと、ローザを採用したローマリア王女や、知り合いのエミリアとアルベールも罰を受ける事になる。エドガーは、それが何よりも怖い。
(僕の出来る事……僕が出来る事……僕にしか出来ない事……何か。何かあるはずだ……それを見つけないと……)
「――ガー、ドガー?……――エドガーっ!?」
「……えっ!?――あ、何?」
コーヒーカップを持ったまま固まるエドガーに、ローザが声をかけていたようで、考えに
「何って……始めるわよ。続き……私達異世界人が、この世界に……エドガーに会う前に行った場所……サクラの言う【
「……ごめん……」
考え事をしていたことを、
それでもローザは「いいのよ」と言い、笑ってくれた。
きっとエドガーが考えている内容も、
それでも今は、なさなければならない事をキチンと話すために、声をかけてくれたのだ。
「では、我ら全員が招かれた【
フィルヴィーネが先行して自分の考えを話し始める。
この“魔王”様も、エドガーがちゃんと聞くまで待ってくれていたようである。
「あの場所にいた……光の
異世界人全員が思い当り、
「あの
“魔王”などという存在が、
エドガーだけが分からない訳だが、分からないからこそ聞けることもある。
「その光の
「……」
フィルヴィーネは考えるように腕を組み、少し間を開けて答える。
「分からぬな……魔力の
「――あの変な声……形があったんですかっ!?」
「そういえばそうだな……わたしとサクラがいた時は、声だけだった」
サクヤとサクラが会ったのは、声だけの存在。
言い
「ノー。ワタシの時は……とても
「ローザさんは?どうでしたか?」
残るローザはどうだったかを聞くサクラ。
「そうね……私の場合は、光を
最後の言葉は小さく
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