162話【心の成長】
◇心の成長◇
サクラが
“神“にも“魔王”にも不可能な事を、どうして“召喚”が可能にしているのか、ローザが言う『私は再構成されている』と言う言葉の
「私は――元の世界。正確には過去の世界で
元の世界での事を思い出して、ローザは
「でも……この世界に“召喚”されて以来、私の
「――そっか。だからあんなに食べ物に感動してたんだね……」
エドガーは優しく笑みを浮かべて、ローザが食事をしている
ローザは恥ずかしそうに目を
「そう考えると。私の身体が再構成されている……って言われても、
「確かにそうかもっ。あたしも、
ローザの予想にサクラが同意する。
「あの場所……う~ん。言いにくいから……そうだなぁ、仮に【
「ステータス……身体能力の事ですね」
サクラが言うステータスを説明するメルティナ。
メルティナは続けて、自分の
「ワタシの場合、元々身体を持ちません。人工知能でしたから。それでも、気付いた時にはこの
「やっぱりそうなると、可能性が高いね……そだ、【忍者】はなんかないの?」
サクラがメルティナの
他の意見がないかと、同じタイミングで“召喚”されたサクヤに聞くのだが。
「……【
「……また中二病みたいなことを……」
「――そうではないっ!そうではないが……わたしは……その……」
サクヤはテーブルに――バンッ!と手をついて、普段からこう言う話についていけない自分を
しかしエドガーは、そんなサクヤに優しく
「……サクヤ。ゆっくりでいいよ……落ち着いて。無理についてこようとしなくていい。僕達は――
「……――あ、
その時だった。
サクヤの中で――何かが
それは、サクヤにしか分からない事であり、サクヤだけの《
【
今まで発動していなかったサクヤの能力。
あの場所、【
それが今、
「――な、なんだ……この感覚」
「サクヤ?」
「【忍者】?――どうしたのよ?」
「……い、いや、分からぬ」
「はぁ?」
本人すら知りえぬ“ステータス”の状態。
「……もしかしたら。サクヤ……少し動かないでください」
唯一、“ステータス”を確認出来る人物、メルティナが、立ち上がって【
網膜投影で、メルティナはそれを確認する。
【解析結果】
・サクヤ/【忍者】
・【
|LV:65
|HP:8567/8567
|MP:449/449
|STR:670(+装備472)
|INT:238
|VIT:371
|MEN:277
|AGL:1125(+装備556)
・【
・【
・【
・【
・【ジュエルスキル・
前回(100話)調べた時と、ステータス自体は変わらない。
しかし、名前の下の【発動状態】と思われる
そして、新たな能力が増えている事だ。
「
「【
見たところ、ステータスに
「それと、前に見た時よりも
「
サクラが
「いや、わたしのせいではないであろう……!」
「――ふむ。その力がどうかは、
「あ、そうそう……【忍者】が言った、眼が
フィルヴィーネの言葉に、サクラが少しだけ
しかし、サクヤがほんの少しでも心を落ち着けたのなら、
話は戻り、ローザがそれに答える。
「可能性としては、私の
身体を再構成されたことで、元の世界で
そういう可能性だろうか。
ローザはパン
「身体の再構成の話は、
「うん」
「じゃあ次は……どうして、その“神”や“魔王”が出来ない筈の――再構成?を……エド君が……【召喚師】が出来るのかって事だね」
「僕にそんな事をしている自覚は無いんだけど……」
エドガーは単に生まれつき持った
「私の国に、【召喚師】なんて職業の者は一人もいなかった」
ローザはフィルヴィーネを見る。
フィルヴィーネは、リザを肩に乗せて
しかし、しっかりと話は聞いていたようで。
「……そうだな、【召喚師】……我の
【
“神”も“魔王”もが出来ない
少なくとも、ローザやフィルヴィーネがいた時代に、【召喚師】と言う職業の人物は存在していなかった。
「……少し気になるとすれば、【
つまりは、“神”は
それは《魔界》も同じであり、フィルヴィーネが
【
「エドガー、【召喚師】の
「え?う~ん。僕……父……祖父……は確実だとしても、それ以上は……」
ローザの質問に、エドガーは考えながら答えるが。
考えるも、心当たりは無い。
「
「だね。日記とかさ」
サクヤとサクラが、ヒントになりそうな
「ごめん……歴代の【召喚師】の事は正直分からない。少なくとも、【召喚の間】は何代もの【召喚師】が使っている筈だから……百年、くらいは続いているはずなんだけど。それと本も同じだよ。あるとすれば……祖父が
「――!」
その言葉に、ローザだけがハッとし。そして告げる。
「そう……なら、ローマリアの
「!!」
「……ローザさんっ」
「
「イエス。ワタシもそれが
エドガーは無言だ。
サクラはやはり反対なのか、険しい顔をし。
サクヤは「うむ」と
そしてメルティナも
「――さ、次の話に移りましょうか」
「いや、ローザさん……!」
「サクラ。落ち着いてください……あなたがエキサイトしては、マスターが口を出せなくなります」
「それは!……そう、だね……ごめん……」
ほんの少し、ぶり返してしまった気まずさを
最後は、異世界人達全員が体験している、あの場所――【
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