121話【ノエルディアの加担】
◇ノエルディアの
ここには居るはずのない、エドガーの妹。騎士学校の
――リエレーネ・レオマリス。
あの日、騎士学校で行われた決闘が終わったあと、注目を
“悪魔”バフォメット戦後、
「――な、なんでリエちゃんが……ここに……!?」
リエレーネは、どうやら
そうなると王女は
「ふふふ、
後ろから声を掛けるノエルディアを、エミリアはジィッと
「お前の
「……はぁ……どういうことですか?ハルオエンデさん」
「……う、うん。その前に
“悪魔”を
エミリアの槍を知っているノエルディアも、その力で
「ほら……あの後、あんた達ロヴァルト兄妹は
「――?……あ、ああっ!あの後ですか……あの後にリエちゃんを
ピンときた。あの後とは、リエレーネがエドガーを心配して騎士学校に戻ってきた後の事だろう。
エミリアがリエレーネの
「そ、そそのかしてないって!人聞き悪いこと言うなっ!」
ノエルディアは、相変わらずメイド服を着ている。
最近は王城内でも
「何が違うんですか!?リエちゃんがここに居るの、ハルオエンデさんが関係してるんでしょ!?」
怒り気味に、エミリアはノエルディアを
ここに居る事を
「だ、だから私じゃないってば!いや、スカウトしたのは私だけど……あっ!」
「スカウトぉ!?……ま、まさか……リエちゃん、ハルオエンデさんの【
ノエルディアは自分の失言を理解してか、そ~っと部屋から出て行こうとする。
が、急に扉が開いて、思いっきり顔をぶつける。
「――うんぐっ!!」
キィっと開いた扉からは、【聖騎士団・副団長】オーデイン・ルクストバーが。
エミリアは
ノエルディアが、絶対に副団長には言っていないだろうと
「何をやっているんだい、君たちは……この
オーデインは
ローマリアの机にそれを置き、カーテンの向こうに声を掛けるオーデイン。
「
第三王女ローマリアは、エミリアとアルベールの【聖騎士】昇格正式発表の
それは王都民に大いに喜ばれ、これからは王家の仕事もこなしていくと
「わ、分かっているわ。お、置いておいて」
カーテンの奥のローマリアに、オーデインは
そして、ノエルディアとすれ違う
「――やりすぎるんじゃないよ……?」
と、
「――ひぃっ!」
それでも、問い
「あ!そうそう……ノエル――後で私の部屋に来なさい。話がある……いいね?」
「……は、はぃ」
やはり、
オーデインが出て行ったあと、
「……あ」
「あは……あはは……エミリア先輩~……」
そこでは、王女になりすましてしまったと言う
◇
【リフベイン城・
休憩所も
「――どうぞ、リエちゃん……」
「あ、どうも……
エミリアはリエレーネにサンドイッチを渡した。
「いいのいいの」と言いながら笑うエミリア。
昼食がまだだった様なので、これは後で食べようと思っていた
あの後
「で、どうしてハルオエンデさんの【
リエレーネは
「はい……実はあの後、ノエルディア様にいろいろと聞き
「お兄ちゃんが……その、色んな女の人と一緒に
「――ぶっ!!……ごほっ、ごほっ!」
心の中で「ノエルディアぁぁ!」と
「だ、大丈夫ですかっ!?
リエレーネは立ち上がってエミリアの背を
しかし、急に待ったの声がかかる。
「――エミリア様に近づかないで!!は、離れて~!」
「え?――きゃっ……」
エミリアとリエレーネの間に入り込み、小さな身体をねじ込んできた。
「ゲホ、ゲホっ……レ、レミーユ、
休憩所とはいえ、第三王女の住むエリアに変わりはない。
「だってエミリア様がこの女に!――えっ?」
ムッとしながら、レミーユはリエレーネの胸元をトンっ!と押した。
リエレーネは「きゃっ」と一歩下がるが、
見事にレミーユの腕を取ってねじり、地に
――ドスン!!と、レミーユはいつの間にか抑え込まれていた。
「――い、いだだだぁっ!ごめん、ごめんなさいぃぃ!」
「……ちょっと!二人共っ!!」
意外にも、あっと言う間に
リエレーネも、
エミリアの声に、バッ!と離れる。
「あ、ごめんなさい!つい……」
実はリエレーネ。格闘技、特に
騎士学校に通い始めて二年。リエレーネが
「痛いですぅぅ……エミリア様ぁ」
肩を押さえて痛がる少女に、エミリアは優しく手を伸ばす。
「ほら、レミーユ……大丈夫だからもう泣かないの。【
「リエちゃんも、ごめんね」とエミリアがもう片方の手を顔の前に持っていって謝る。
今後増えることになる、【
なんと第一号は、エミリアの【
「すみませんでした……」
「うん。もういいから、持ち場に戻りなさい」
「で、どこまで……ああ、エドが色んな女の……」
自分で言ってて
リエレーネも
「――あ、ごめん」
「い、いえ……それでですね、ノエルディア様が、私が【召喚師】の妹だって知ったら、声をかけてくれて……それで」
「ハルオエンデさんは何を考えているのだろうか……」
思わず口から出た。
騎士学生であろうと、卒業したての騎士であろうと、貴族の
「ダ、ダメでした、よね……私なんかが……」
「――違う違う……そうじゃなくてね、エドは?エドは知ってるの……?」
その事が、
エドガーが【召喚師】として“不遇”職業
「お兄ちゃんには言ってません!お兄ちゃんがあの
「もん!」と
「
(……それにしても、
「あはは、そうかもしれませんね」
おっぱいさん。は完全にローザの事だろう。
エミリアも、昔はエミィちゃんと呼ばれていたが、
リエレーネがそんな変な呼び名で呼ぶことを、
それにしても、リエレーネはローザ達が異世界人だと言うことはまだ知ってはいないらしい。
ノエルディアも、そこ
リエレーネはただ、一人暮らしをしていたはずの兄のもとに、押しかけて来た女が複数いると、それも
妹として、兄の
エミリアは
自分がエドガーの妹に好かれているという大きなアドバンテージを、
そして、時間はあっという間に過ぎて、エミリアとレミーユは自室へ、リエレーネはノエルディアを迎えに行ったのだった。
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