120話【ロヴァルト兄妹の新たな一日】
◇ロヴァルト兄妹の新たな一日◇
【火の月52日】。
エミリア・ロヴァルトは、目を覚ます。
場所は、【
エミリア・ロヴァルトは、【聖騎士】に成った事で引っ
【リフベイン聖王国】第三王女ローマリア・ファズ・リフベインが
【リフベイン城】の
「――おはようございます!エミリア様!」
「……」
起きたてのエミリアに
エミリアはその幼い少女を
「あのね……私はまだこの前【聖騎士】に成ったばかりの新人なんだよ?……なんで
「それは
「……」
この少女は、【
レミーユ・マスケティーエットという、公爵家の娘だ。
彼女は、あの決闘を間近で見ていたらしい。
当然
だったら、他の騎士でもいいのでは?と問いかけたら、自分が使う
『私は槍使いです!エミリア様の部下になるのが
と言われ、最終的には
その為、夢見るお嬢様の
【聖騎士】昇格正式発表の数日後にはもう、エミリアに【
そして一方、他の【聖騎士】にも、【
副団長オーデイン・ルクストバーやノエルディア・ハルオエンデにも【
当然、エミリアの兄、アルベールにもだ。
◇
【
アルベール・ロヴァルトは、【聖騎士】昇格祝いに用意された
この
妹エミリアは王女を助けたと言う
一方、兄アルベールは、騎士学校の卒業生として、昨年度
だが、王女の護衛と言うエミリアの役職も、十分に褒美と言えるだろう。
「どうぞ……アルベール様。食後のコーヒーです」
「あ、ああ。どうも……」
アルベールに笑顔を見せながら、コーヒーカップを運ぶ美女がいる。
名を、ラフィーユ・マスケティーエットと言う。
この美女が、アルベールの【
エミリアの【
仕事も、本来は王城
「もう、アルベール様ったら……いいのですよ?前みたいに
「……いや、分かってはいるんだけどな……あはは、まだ
【
そのせいかおかげか、アルベールは複数のメイドや
そのメイドの中には、フィルウェインが居てくれているのが、
――エミリアがいなければクビになるだろう、あのメイドは。
しかしエミリアが王城には連れて行けない為、アルベールが
「かしこまりました。今日のご予定は、正午に城へ。第一王女セルエリス様とロヴァルトの
「――ああ。分かった……ありがとう」
ラフィーユは、非常に
学生時代、剣の実力はそうでもなかった彼女だが。
メイドや
しかしその事を、アルベールは恋人であるメイリンに言えていない。
あの日、ケンカをするようにぶたれて、それ以降会えてもいないからだ。
(どーすっかな……マジで……)
来たる未来の
◇
場所は戻って、王城。
すたすたと歩くエミリアの背後を、チョコンと付いてくる小さな女の子。レミーユだ。
身長は完全にエミリアよりも小さく、二人でいる所をもしサクラに見られたら「中学生じゃん」というだろう、その中にサクヤが入ればなおの事だ。
「エミリア様!お次はローマリア王女
「――
「は、はいぃ」
エミリアの行動力に、
後ろをせっせと、「ぜぇぜぇ」言いながらついていく。
「――失礼します、【聖騎士】エミリア・ロヴァルトです……」
コンコンとノックをして、まだ言いなれない【聖騎士】としての訪問。
「……ど、どうぞ……」
――まさか、知り合いがここに居るとは思わずに。
「ようやく来たわね、ロヴァルト妹。待ってたわよ!」
王女の部屋で、【聖騎士】ノエルディア・ハルオエンデが待っていた。
エミリアは
「すみません、まだ慣れていなくて……」
エミリアの
「……
ローマリアは、まだ何も言わない。
と、彼女の肩がピクリと動いたのを確認する。
「――ハルオエンデさん……まさか……
エミリアは
そもそも、普段はカーテンなどつけていなかった。
ローマリアはいない。どうせまた、抜け出しているのだろう。
しかし、ローマリアの代わりにいた人物に、エミリアは言葉を失くした。
「……。……。……。……は?」
「……ど、どうも……エミリア
そこには、エドガーの妹――リエレーネ・レオマリスがいた。
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