119話【これがワタシの日常】
◇これがワタシの日常◇
異世界の魔王が“召喚”される前日、【火の月53日】。
【召喚師】エドガー・レオマリスの眠る
影は
その背中に存在する《石》からは、緑色の
「……コンプリート。成功です。今、行きます……マス――」
「――どこに行くつもりよ?」
「……そ、
センサーに反応しなかった。おそらく《石》の力だろう。
メルティナは機械に頼り過ぎていたために、気付けなかったようだ。
気付けないのも無理もない。ローザはともかく、サクラもここ数日で《石》の使い方が
メルティナの高度センサー
「どこがですか~。これで三日連続ですよ?メルさ~ん……?」
メルティナを
サクラは
もう
「――ちょっと待ってくださいサクラ……ワタシは、マスターにお休みの
「はいはい、それはさっき皆でしましたから、【忍者】はもうぐっすりですよ」
サクラに首根っこを
今
ローザ程ではないが、メルティナもかなりスタイルがいい。
本当に、エミリア(前世のティーナ・アヴルスベイブ)の情報を
「まったく……
全裸で
「……眠ぃ……」
ローザは、メルティナが毎日のようにあの手この手を使ってくるので、寝不足だった。
それはサクラも同じはずなのだが、なぜか彼女はぴんぴんしている。
「ほら、ローザさんも……行きますよっ!」
「……分かっているから……大きな声を出さないで」
◇
翌日53日。
日の光を受けて、エドガーは目を覚ます。
ゆっくりと背伸びをする。と、それと同時に「――あああああああああっ!」と
「……ロ、ローザか……」
エドガーは完全に寝坊であり、どうやらメイリンに起こされるローザと同じタイミングで起きたらしい。なんとか身体に
管理人室から出て、
「……」
むすっとしたローザと
とても
「あら、おはよう……
ジト目の
「……お、おはようございます……メイリンさん、その、すみません……」
メイリン・サザーシャークは怒っている。
今日だけではない。メイリンは、ローザ達が異世界人である事を隠していたことを怒っているのだ。
決闘の翌日、【
エミリアとアルベールも同席して、メルティナの紹介などをしたのだが。
「私はそんなに信用ないかしら……」そう言って、メイリンはアルベールをぶった。
メイリンの事を
ローザは当初「話した方がいい」と言っていたが、なんとも残念な結果になってしまった。
しかし、いろいろな
「助けてもらった事は、夢のように覚えているわ」と、夢で見た内容
「強い女性ね」と、その時ローザは言ったのだが。
まさか自分がこんなにも彼女を
「……エドガー……早くエミリアのお兄さんを連れてきなさい……この
アルベールとメイリンは、それから会っていないらしい。
【聖騎士】と成ったアルベールとエミリアの兄妹は毎日忙しくしており。
幼馴染であるエドガーも、それから一度しか会っていない。
早く二人の仲を戻してもらわなければ、ローザがいつか爆発するかもしれない。物理的に。
「さあ、ローザもエドガー君も……早く顔を洗って
さん付けを止めたのは、ローザに
「――さ、早く!!」
「「は、はい!」」
今は、とても怖いが。
◇
顔を洗い終えて、エドガーが
サクヤとメルティナが正座させられていた。
「――どういう事?」
「……エド君おはよう」
「あ、
「マ、マスター……あ、足が……」
涙目でエドガーを見るメルティナ。
本当に人工知能なのだろうかと思えるほどに、とても
どうやら足が
エドガーを
「――マスタぁあああああっ!サ、サクラぁ!
「いやいや……メルは機械なんでしょ?なんで足が
サクヤとメルティナを正座させていた
サクラが、やれやれと言った感じに言う。
「――ち、違います!ワタシの身体は、今や80%が人間と同じなのです!……
ご
「……お、お
サクヤは、サクラの行動にゾッとしていた。
サクラは、
「はは……でも、ちょっと分かるかな……」
「――
サクラの
「……ご、ごめん。なんでもないです……」
「ならばよろしいですが……」
サクヤの黒く
メルティナの、悲鳴と言うか泣き声と言うか、どこか人間離れしたその声に。背筋をぞくぞくとさせるエドガーであった。
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