108話【決闘~開催~】
◇決闘~
学生達の
タイミング良くエミリアも
「エドっ!皆、こっちだよ!」
何だか
「エミリアちゃん、元気すぎだよ~……」
「――おいっサクラ!自分で歩けぇ!
サクラは馬車に
サクヤに
その歩いているさまはどう見ても、じゃれている姉妹だ。
「……それにしても、
馬車から最後に降りたローザは、会場のあらゆる場所で行われている
「仕方がないよ。セルエリス
自分の未来が
「そ。ま、頑張りなさい……それと……似合ってるわよ、それ」
ローザは、少し目を
「あ、ありがとう……ローザ」
サクラを
「……エミリア、
エドガーも、エミリアを気に掛けている。
自分にもそんな
「うん。バッチリだよ!……頑張ろうねっ」
「ああっ!
二人はトンっと
空中からエミリアを見つめる、異世界人メルティナ・アヴルスベイブの
◇
エミリア達の
少し離れた別の教室には、シュダイハ家側のメンバーがいるの筈だ。
その場所に行けない様に、騎士が進入禁止のバリケードを
「別に会いに行ったりしないけど……」
と、エドガーがその
「あはは、そうだよねっ。会いたくも無いのにねっ!」
ウインクしながらエドガーに言うエミリア。そこまでだったのか。
ローザは
――が。
「――っ!!――ぷっっ!」
「――ロ、ローザ!?」
「何してんの!?ローザさん」
少しだけ飲んでしまった飲み物を
そしてテーブル代わりの机に置かれた
――ガシャーンッ!!とガラスの
あたふたするサクラとエドガーを尻目に。
サクヤはぶちまかれた飲み物を指ですくって、舐めた。
「……!――薬だな……」
「――えっ!」
「うそ……?」
「本当よ……
ローザは
「でもこれって、城の人が用意したはずだよ……!?ってことは……」
そしてローザは、この差し入れを用意したのが王家に関わる人物だと
「第一王女……か」
「め、
その王家に
第一王女の
何とも
(
「とにかく……ここにある飲み物、食べ物は口にしない事……いいわね皆」
「「「うん」」」
「
ローザの怒りは食べ物が食べられない事か、それとも決闘と
いずれにせよローザの言葉に、エドガー達は
◇
反対側の教室では、セイドリック・シュダイハが数人のメイドを
「シュダイハ殿、お待ちを」
背の高い騎士風の男が、それを止める。
「なんだ?」
「それを飲んではいけません。薬が入っていますので」
「――なっ!!」
飲み物に薬が入っていることを知っているこの男は、シュダイハ家側のメンバーの一人。
「セルエリス様は
あちらに入れれば、こちらにも入っている、そういう訳だ。
つまり、引っ掛かったほうがマヌケ――という事なのだろう。
「で、
「……はぁ」
(昨日の
それをわざわざ
ジュダスと呼ばれた長身の男は口内で
ジュダス・トルターン。
このジュダスは元・騎士で、現在は
ある目的があり、この話があった時に
「……」
(こんな馬鹿な貴族の下に就かないと戦えないとはな……だが、待っていろ……必ずや
手に持つ焼け
「……――ったりぃわ、マジでたりぃ……」
だらしなく机に脚を乗せ、ブツブツと
この男の名は、ナルザ・ベターバル。
シュダイハ家の傭兵であり、あの日、サクヤに毒矢を
そのせいで、この決闘のメンバーに選ばれてしまった訳だが。
サクヤかメルティナに仕返しできると思っていたが、まさかどちらも出場者じゃないとは。
ナルザからすればとんだ
「おいおい。ナルザだったか……お前があの日
ナルザに話しかけるのは、シュダイハ家に古くから
この男は、同じく
「……ちっ!っせーなぁ……分かってんよ。試合はキチンとやらせてもらいますわっ、試合はなっ」
ガタンと机と
「おいこらっ!ナルザ!!」
追いかけようとするフェルドスに、後ろから声を掛ける人物。
「――ほっときなさいよフェルドス。試合は出るって言ってるんだから、いいでしょ?」
「しかしだな……カリーナ。
カリーナ・オベルシア。
フェルドスと同じくシュダイハ家に
しかし、その
元々戦闘力が高かった為、この決闘のメンバーに選ばれたのだが。
(子爵様の命令とは言え、坊ちゃんの
くだらないとは思いつつ、自分が再度子爵に取り入るチャンスではないかと考えるカリーナ。
その子爵の息子セイドリックは、
「セイドリック様……よろしいんですか?そんな
フェルドスは、
当のセイドリックはむしゃむしゃと汚らしく
「……大丈夫さ……
と、自信満々に
その手に持つ、
◇
エミリア達の
「で……
【聖騎士】ノエルディアを連れ、ドレス姿のローマリアが現れたのだ。
「……ど、どう?調子は」
ローマリアはエドガーを気にしているようだが、そんな
「はいっ!
「いいえ。構わないわ……ん?なに?……それは」
ローマリアは、床の
「あ。えっと……その~」
「――何でもないわ。手を
言い
「……そう。気をつけなさいよ、エミリア」
そう言うローマリア。
その言葉で全員が気付く。薬入りの飲み物に、ローマリアは
だから、誰もがそれを言う事は無かった。
「――えっ!私がですかっ?」
王女の去り
それだけでも十分
次はシュダイハ家側に行くのだろう。
「……さ、もうすぐね。一応開会式をやるんでしょ?」
サクラは【スマホ】で確認する。
大体の時間計算は
キチンと
今日は【火の月32日】。
一日早まったので、【地球】で言えば5月2日にあたる日だ。
「うん、そうだね……移動しようか。兄さんもそろそろ来るだろうし」
そうして、エドガー達は移動を開始する。
エミリアの結婚を
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