104話【五日目~急転~】
◇五日目~
元・人工知能【
それも、異世界人の先輩であるロザリーム・シャル・ブラストリア。
ローザは、メルティナがこちらに協力すれば、メルティナの
だから、サクヤと言う少女を助けるのも協力した。
メルティナの
向かいに座るサクヤに似た少女サクラは、先程からメルティナを
メルティナの目的、それは。
この世界にある。
――
メルティナのただ一人のマスター。
ティーナ・アヴルスベイブは、元の世界で別れた。
具体的に言えば、彼女を
そうして、
姿を人間の形に変え、生まれ変わっていたのだ。
だが、この世界【リバース】に
当然、ティーナ・アヴルスベイブを逃がした
だが、消えないマスター・ティーナの反応を、メルティナは探さないわけにはいかない。
自分のマスターは、ただ一人なのだから。
この少年ではないと、否定するために。
そうであって欲しいと、願う為に。
ティーナ・アヴルスベイブを探す事にした。その為に、ローザの協力を得たい。
初めにローザと
【
それにも理由がある。マスター・ティーナの反応を探すにも、
契約の
初めは、エドガーの事を
現在、エドガーとサクラは紙に数字を
メルティナからすれば、何とも
「――ノー。そこは間違いです」
「えっ!?」
つい、
「……ここはシルバー……銀貨50枚で
「この街。特にノース側の
メルティナの
「――そ、そっか……この間の
メルティナのデータに
「それよりもサクラ。その
「――えっ?……きゃっ!」
「……ご、ごめん……」
サクラは自分が前のめりでエドガーに向いていることに気付き、パッと胸元を隠す。
エドガーも、顔を赤くしながら、正直に
「う、ううん……あたしも
「……メルティナで構いません。もしくは、メルとお呼びください」
どうやら、サクヤにメルと呼ばれた事が気に入っているらしい。
メルティナは
「うん……じゃあ、ありがと、メル」
逆にエドガーはサクラとちょっと気まずくなったのだが、それはエドガーのむっつりがいけない。
メルティナは何度かエドガーの間違いを
その度にサクラは
「あれ……メル、そんな顔も出来るんだね……クールな人だと思ったけど、笑った顔も可愛いねっ……」
サクラの言葉に一番
「……え?」
(――笑っている?
ジジジ――と、メルティナのメモリーがノイズを放つ。
「くっ……!!」
「メル!?」
「メルティナさん!」
ガタリと
その様子は、どう見ても
「……少し、
そう言って、メルティナは場を離れて行った。
「大丈夫かな……メルティナさん」
「……多分――っていうか、エド君の方が分かるでしょ!?“契約者”の事なんだから」
立ち上がっていた二人は気を取り直して座る。
「うん、そう……なんだけどね」
「なにそれ……
エドガーの
エドガーは
「いや、なんかね……メルティナさんが僕を
メルティナは、エドガーが
なにか
“召喚”に使われた魔力はエドガーのもので間違いはなく、
ただ、一つ気がかりな事。
あの場に
それが、“召喚”後に消えていた事を考えると、その分からない“魔道具”が、
それは――《石》だった。
そしてその《石》は、メルティナの背につけられている。
綺麗に
大きさは手の平ほどの四角形だ、しかしその《石》に覚えはない。
「そういうものかなぁ……もっと簡単だと思うけど」
「――えっ?」
「ううん、何でもない……ほら、続きを……――あ!馬車の音だね」
「――えっ?」
二度同じ
確かに、カラカラと回る馬車の
その人物は
「
スカートの
メイドを数人引きつれたメイド、ではなく【聖騎士】ノエルディア・ハルオエンデだった。
「……ハルオエンデさん?……あっ、
エドガーは笑顔で
ローマリアが昨日大量に
昨日の帰りの馬車内でのことは
考えることが多すぎて
急にそれを思い出して、エドガーは言葉を
「……」
「……【召喚師】?」
「あ、すみません……こちらにどうぞ」
「……?」
ただ、ノエルディアの後ろに
◇
それを見てノエルディアは、首を痛くしていた。
「
「ええ。ご自分でお
「「……」」
「……え?」
どうやら、
「ま、まぁとにかく……さぁ
「「「かしこまりました!」」」
ノエルディアの命令に
テキパキと作業を進める
少しして、タイミング良くメイド全員が居なくなった時、ノエルディアは待ってましたと言いそうなほど笑みを浮かべて言う。
「【召喚師】エドガー……これを。
「え?……これって」
しかしそれも
ノエルディアは
「
少しガラが悪い。やっぱり時々
「……『決闘
期日変更。決闘は二日後のはず、これ以上早めるということは。
「……あ、明日……!?」
「そういうことよ……でも
では誰が。
「……セルエリス様がお決めになったのよ」
「……昨日の夜……ですか」
セルエリス・シュナ・リフベイン第一王女。
今や、王に代わり
「……ええ」
ローマリアを
その後に、これが決まってしまったという事だろう。
「ローマリア
やはりローマリアは、エドガーが。
――【召喚師】が国に決められた“不遇”職業だということを知らなかったのだ。
それならば、あの
「でも……こんな……また、僕のせいで……」
エドガーは、自分が【召喚師】だという事で
この一日は大きい。
たかが一日――されど、一日だ。
今のエミリア陣には、一日の差は大きくなる。
それでなくても、今日行っていた“魔道具”を
ローザ抜きの作戦や
「――!……【召喚師】……これをっ」
メイドが戻って来る
それは、
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