103話【五日目~刺さる視線~】
◇五日目~刺さる
今日だけではなく、近日中だが。
「はぁぁ……また
朝から
この店の主人であるマークス・オルゴは、
「……あああ~。マジでめんどくせぇぇぇぇっ!」
自室で
◇
昨日、突然やって来たローザが「
ローザが来てから
ローザが言った通りサクヤだったが、彼女はついて早々に
しかもローザは、それを見届けるなり「
◇
マークスは二階に上がっていき、角の
昨日の
軽く
「――おい、そろそろいい時間だぞ!起きろ、
マークスの大きな声に、
子爵家の娘でありながらメイドらしいが、どうゆう事だ?と、マークスには理解できなかった。
「ちょっ!まだサクヤが寝てます!起きちゃうでしょう!?」
「お
ルーリアはバッ!と手で
「……もう起きている、大丈夫だよ……ルーリア、気を使わせてすまぬな……」
一つしかないベッドからむくりと起き、具合が悪そうに
「ほらぁぁぁぁっ!」
ルーリアはマークスの顔に指をさす。
「俺じゃねぇだろ!もう起きてるっつったろがぃ!!」
マークスは指をさすルーリアの指を取りひん曲げる。逆方向に。
「――いたた、痛い痛いっ!」
その声に、床で寝ていたボルザ・マドレスターも
「……おざます」と、まだ半分以上寝ていた。
この男はルーリアのおまけのような存在で、身体だけを見たら
「おいサク、ヤ……もういいのか?」
「ん?……ああ、
「お、おう……」
サクヤは、昨日ここに連れられてきた
ローザが来た時に
「【
「あん?……帰ったよ。エドガーが帰ったって聞いたら、お前を運んできた緑の奴が飛んでいきやがってな……文字通り……」
「――!メル殿が!?こ、こうしてはおれん……」
毒が再び回っているのかと思わせるほど
「――だ、ダメだよサクヤ!裸っ!!」
「うむっ!?」
サクヤは、肩に
その
「気にしてられぬ!!」と、男前な発言をして、
まさかの行動に、必死に止めるルーリア。
「ダメダメダメダメダメダメ!
「なんで俺なんだよっ!!おら馬鹿
「――なっ!?どこを
「あぁ~!はいはい……いいから落ち着けって!――ってぇな!
名前間違いに腹を立てたのか、サクヤは
「サ、サクヤ……
「無駄に疲れさせんじゃねぇよ……」
「お、俺は見てませんっ!!」
ルーリアは
マークスは
ボルザは裸のサクヤを見まいと、丸くなった毛玉の様になっていた。
「な、なんだこれは……」
「お前が引き起こしたんだろうがっ。エドガーにチクるぞ!」
サクヤの頭をポカリと叩くマークス。
そしてエドガーの名前が効いたのか、
「うぅ……
◇
【福音のマリス】の庭で、エドガーはクシャミをする。
「――へっ!……くしゅっ!!」
「だ、大丈夫?エド君?」
二人は今、庭の
「いや、うん。大丈夫……ははは……」
ちらりと背後を気にすると、そこにはメルティナ・アヴルスベイブがいる。
彼女は
「「「……」」」
気まずい
今朝の
それもこれも、昨日の
サクラとメイリンが先に帰宅していたのだが、メイリンは夕の仕事を終わらせてから、農家の父が迎えに来た。
何でも、野菜が
その後が問題だった。
一人きりで
それが――メルティナにも聞こえていたのだ。
【心通話】を聞いたメルティナは、その時マークスの店にいたのだが、文字通り空を飛んできてエドガーとサクラの前に立った。
その後、エドガーはローザから自室に連れて行かれ、「明日話す」とだけ言われて今に
一体、夜にローザとメルティナは何を話したのだろうか。
結局、今朝からメルティナが襲ってくることはなかったが、この様にずっっっっと見張られ続けていた。
「「……」」
そして現在、エドガーとサクラはロビーにいる。
昨日の
が、本来こんなことをしている場合ではない。
決闘は二日後。
エミリアが出した
それを有効に活用するために、
ローザが出場できない以上、勝てる
シュダイハ側がもし、サクラが
そのためにサクラに協力してもらって
(……しゅ、集中できない……)
メルティナの
<エド君……正直言って、かなりやりづらいんだけど……>
<うん。僕もだよ……>
「
「「――!!」」
メルティナはそう言って、エドガーの隣に座る。
そして
「よ、
この聞こえるんですか?は、エドガーとサクラのチャンネルの会話を。と言う意味だ。
エドガーとサクラは今、どれだけの
非常にやりにくいが、メルティナには関係ない事だった。
だが、
「……メルティナさん、だっけ?……いい加減、
「……ノー。だから見ているだけです。この
確かにもっともな
「だ~か~らぁ!それだけで
「……イエス。その通りです。ですが、今
「それに、今はそのつもりはありません。ローザが
「えっ!ローザさん、何を勝手に……」
「……僕を、
「イエス。
真っ直ぐな
冷たく、
その奥に、何かエドガーを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます