65話【マークスの危惧】
◇マークスの
サクラが勝利したエドガー
他の敗者の
居心地の悪さをその身で受けて、サクラは自分から進んで「もうやめませんか?」と
ローザ達にも変な
そして、エドガーに
「はぁぁぁぁ~」
【福音のマリス】二階・204号室。
お風呂を上り、自室に戻って
ベッドにうつぶせに寝ながら、
「ど、どうしたのだサクラ……?」
あまりにも暗い
「どうしたって……あんたらの
暗い顔のままサクヤに向ける
「い……いや、みなまで言わずとも
サクヤはサクラの隣りのベッドで
その
二人共
この二人、元いた世界は違うが、
「――だからって
《現代日本》から“召喚”されたサクラは、起き上がって
「――ぶふっ!……わ、悪いとは思っているぞ。
《戦国時代》から“召喚”されたサクヤは、投げられた
二人共同じ【地球】からの召喚者だが。
同じ【地球】でも時代が違うのは当然として、世界観などがほんの少し違っていたりする。
《現代日本》から来た、現役高校生サクラの言う
その一。エドガーの部屋に入る度に
その二。【心通話】で
その三。とにかくウザイ。
三つめはともかく、上の二つにはかなり
「エド君に
「いやあれはローザ殿がだなぁ……」
「ほほ~ぅ。あくまでもローザさんに付き合わされた……って言いたいのね?」
「い、いや……そうでもない……のだが」
サクラに
「じゃあ誰の差し金っ!?」
「さ、差し金とかそういうのではない気がするが……」
「――は?」
「――ふ、二人で決めました!」
《戦国時代》から来たサクヤは、まるで戦国
「……よろしい」
サクラはそう言って満足すると、ゆっくりと自分のベッドに戻って眠り始めた。
(な、なんなのだ……いったい!?)
ベッドに入るなりすぅすぅと
自分だけが怒られたことに納得がいかないサクヤは、
◇
翌日【福音のマリス】。
その地下にある【召喚の間】。
この【召喚の間】は、歴代の【召喚師】が作った
その
その代わりに、【召喚師】しかこの部屋に入れない。
だが、“召喚”された異世界人であるローザ達は別であり、始まりがここから出入りしたためか、エドガーがいなくても出入りする事が可能だった。
それを大いに利用して、ローザはたまに
今日は
「ふぅ……そう言えば、
早朝から
「そうね……
エミリアは、エドガー
五日間も
ローザが言ったように、敗北に
兄妹
「……大事がなければいいのだがなぁ」
サクラが聞いていれば「またフラグを……」と言うに違いないサクヤの言葉に、ローザは笑いながら
「平気よ。その内ケラケラしながらやってくるわ」
「ふわぁっ」とあくびをして、ローザは持っていた赤い長剣を
「ん……?もういいのか?ローザ殿」
サクヤが行う普段の
どう見ても
「……ええ、付き合わせて悪かったわね。助かったわ」
(この場所だけは……魔力も関係なく力が使える……まぁ、戦闘で使わなければ意味は無いわね)
「そうか……ローザ殿にしては早起きであったので、もっと
自分が
「フフっ。また今度ね……今日は出かけるわ――さっ、行くわよ?」
そう言ってローザは【召喚の間】を後にするが、どうやらサクヤも行くことが決まっているらしく、サクヤは
「――え、は?ローザ殿?……待ってくれ、わたしは
◇
~
【
この店の主人、
マークスは、エドガーが“召喚”したローザという異世界人の女性が、災害級の“魔道具”【消えない種火】を所持していたことを
それなのに、エドガーはマークスの気など考えずに、新たな異世界人を
そしてマークスは、先日その新たな異世界人二人に会った
当然のように危険な“魔道具”を所持していることを感じさせた二人に、マークスは
新たな異世界人二人が所持している“魔道具”を調べるために王城に行き、【大図書室】でサクヤとサクラが持っていると思われた“魔道具”を調べた。
あれが“魔道具”だと確定させるために、わざわざ王城に足を運んで調べていたのだが。
調べている内に【
マークスはその結果を
「ふぅぅぅ……エドガーの
結果。ローザの【消えない種火】にサクラの【朝日の
そして――【
正確には、《天然の
サクヤの世界では【
「……はぁぁぁ……店、開けっか」
いない人物に怒っていても仕方がないので、仕方がなく?屋を開ける準備をするマークス。
「……あん?――なんだ……
店を開けようと、
「女……だな。誰だ……?――あぁクッソ……嫌な
嫌な
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