57話【スカル・タイラント・リザード3】
◇スカル・タイラント・リザード3◇
巨大な骨の
今は丸い球体に近い
魔力を球体全てに
「……なぁローザ殿」
「なにかしら……?」
サクヤは球体になった【
攻撃の度に
上部に見える頭の部分から
と、色々と考えを
「あのような
球体になった【
それはつまり動かす方法など、
「……まぁ――そうでしょうね……もしくは
ローザも同様の事を考えていた。
この大きさだ、もしこのまま
優に人間の五~六倍はある大きさのものを、まさか防御するなど考えはしないであろう。
異世界人で不思議な
ローザが全開の魔力を
多くの剣を作り出し、何度も【
特にエミリアへの槍。アレに
更には、自然回復の遅さだ。
(“召喚”されて以来、魔力が全然回復していない……それ以上に、使った魔力分ですら回復しないのはなぜ?)
エドガーの為でもあるエミリアへの助力は、自分が勝手にやったことでもあるし、文句を言う気はサラサラないが。
“召喚”されてから減った魔力すら回復しないのは、この国に
(もしエミリアがここにいれば、もっと楽に戦えていたかしら)
エミリアが一緒に居れば、【
この骨
ローザが色々と考えているとサクラが。
「ね、ねぇ……なんか前後に揺れてない?アレってさ……もしかして」
サクラが口にしたアレとは。もしかしなくても。
――助走だろう。
「来るわよっ……
「――えええっ!?」
サクラだけが
「あ~、そうね……エドガー!サクラと一緒に居なさいっ。いいわね」
「――分かってる!……サクラ!こっちに来て!」
エドガーは強引にサクラの手を引っ張って走り出す。
「――あ……う、うん」
先程の【
エドガーはサクラと、ローザとサクヤはバラバラになり、骨球体の
「サクラ!紫の光る骨はどこっ!?」
おそらく弱点であろうそれは、サクラが
こんな状況で
「えっ……と」
なにか言いにくそうに、ローザとエドガーを
「どうしたの?」
「サクラ、早く!」
「どうしたのだ!?」
三人の
「多分……真ん中にある……
「「……」」
「……え、それって」
言いにくそうに答えるサクラ。
もしかしなくても、ずっと見えていたのに言い出せなかったのだろう。
「ご、ごめんなさいっ!怖くて言い出せませんでした!」
「……
「すまぬ……わたしもだ、目当たりはつけていたが。数が多い上に、集まられてからは見えなんだ」
ローザもサクヤも、サクラを
個人的に骨を
「中……ね――つまりはその骨が
(私自身の魔力は
助走が終わったらしい骨球体は、ローザを目指して
ゴロゴロと転がり、
「……ふっ!」
ローザは
「やはりローザ殿を狙っているのかっ!」
サクヤは
真っ直ぐに飛び、骨の
「くっ、やはりだめか……!」
一切のダメージを受けていないらしい骨球体は狙いをサクヤに変えたのか、
「何という迫力だっ……馬に
サクヤは
「エド君……?あ、あたしの
「……えっ?」
骨球体から一番
サクラは
「あたしがちゃんと
「サクラの
エドガーも二人の戦いを見ながら、自身も何もできていないことを激しく
それでも、自分が弱い事を
戦えるローザとサクヤの
「サクラの気持ち、よくわかるよ。僕もあんな
エドガーは胸を押さえ、うるさいくらいに鳴り止まない心臓の
「ローザが教えてくれたんだよ。「でも」とか「だけど」とか、そういう事を言うのはやめろってさ……」
「でも、とか、だけど……?」
「うん。でも無理……とか、だけどやっぱり……とか。――だから受け入れることにしたんだ。全部受け入れる。怖い事や嫌なことも、ローザが……ううん。ローザ達、サクラやサクヤ、エミリアがいる。アルベールやマークスさんだっている。宿に帰ればメイリンさんだって、それに、しばらく会ってないけど妹もね……」
エドガーは、基本的にはそうだ。
それでも、ローザがきっかけになって少しずつ前進できて来ている。
個人的
「僕も、何もできないわけじゃない……ほんの少しでも、力になれることがあるのなら……何でもやるって決めたんだっ!」
サクラに自分の気持ちを
それに反応したように、エドガーの右手と
そして――その
「――エ、エド君っ!?」
「わっ!……あたしのも光ってる!?」
「サクラっ!」
突然名前を呼ばれたと思ったら、腕を
「きゃっ……!」
――ガッ!とサクラを受け止めるエドガー。
「――サクラ……ありがとう」
エドガーの急すぎる
「……えっ!?」
サクラが見つめるエドガーの
少年の
そして、そのとても
◇
骨球体が、戦っていたローザやサクヤから急激に狙い変えた。
エドガーから発せられる
「コイツっ……!!」
<二人共っ!!そっちに行くわよっ!!>
ローザから送られてきた【心通話】でハッとするも。
エドガーから
しかしエドガーはそれすらも分かっているかのように返事をする。
「分かってる」
エドガーは、左腕でサクラを抱きかかえたまま、右手の《紋章》から剣を造り構える。
先程ローザが造り出した大剣、そして普段使っている長剣を合わせた様な、
更に、
「……来るなら――来いっ!!」
「エドガー!逃げ――」
「
ローザとサクヤも骨球体を止めようとする。球体の
「――ウオォォォォォっ!!」
エドガーは
「エドガー!」
ローザは、消えずに落ちていた自分の
完全にエドガーとサクラを
「斬ってやる!!」
大ジャンプして、押し
エドガーは、
――ギュガァァァァァァ!!
ゴォォォォ!!と、炎を
バチバチバチっ!!と魔力を
「――こん、のぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「エド君……」
<こんな……死んじゃうかもしれないのに。あたし……エド君から目が離せないよ……>
<サクラ……僕の事を信じて……>
<――うん、信じてる……もう、信じてるよ……>
【心通話】に乗せられた思いがエドガーに
――ズギャンッッッ!!
骨球体の魔力を切断したエドガーの剣は、骨球体の半分を斬り
「――!!」
「――な、なんとっ!?」
バラバラになった部位は
「――あれねっ!!」
「そ、そのようだなっ!」
「させないわよっ!【
(使ってしまえ!!エドガーの努力を無駄にするんじゃないわよ!ロザリーム!!)
ローザは右手の宝石を
「【
バラバラになった部位に合わせて打ち出された剣達は、魔力を持たない骨に突き刺さり、動きを封じる。
「――くっ……はっ……」
ローザは大量の
「……!!――くっ、後は任せよローザ殿!!」
魔力を使い果たしたのか、膝から崩れたローザを
「【忍者】ぁぁっ!頑張ってぇ!!」
エドガーを支えるサクラから、まさか応援されるとは。
「承知している!――忍法、【
「あばばばばっ!!……だ、だから電撃は嫌いなのだ!!」
「それだけ分かりやすく
<……死んでないわよ>
<――死んでないから……>
<二人を勝手に殺さないの!!>
三人からツッコまれつつ、サクヤは
骨球体も自分がピンチだと分かるのか、がむしゃらに残っている魔力を
ローザの剣で
残されたのは、ほんの小さな小骨だけ。
「――効かぬ!!」
雷を
サクヤは何もせずに、
「もらったぞっ!!――【
誰にも見えない速さで、
いや、【
そして、サクヤが通った道には、黒い焼け
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