間話Ⅱ 「なんでミーラは、王妃になりたいの?」




「……なるほど。つまりアナタの体をわたしとアナタで一日交代で使っている、ってことかな? それで、毎日夢のなかで会っている、みたいな??」

「私に聞かれても分かりませんわよ。大体そうだとするなら、さっさと出てって下さいましっ」

「えぇ、そんなこと言わないでよ。せっかくまだ生きれそうなんだもん」

「貴女の都合などどうでも宜しくってよ。さっさと出ていってくんまし」

「……そんなこと言われても、どうすればいいかなんてわたしにもわかんないよ」


 最初は【私】もうるさくて、けれども当時心を許せる友のいなかった【私】にとって、次第に【彼女】の存在が唯一無二のものへと変化していきましたの。





 ☆☆☆





「ねぇ、ミーラ。ミーラはこのまま断罪されてもいいの?」

「たしかサクラの世界のお話の中ではそうなるのでしたっけ? ……嫌に決まっておりますわ。私だって王妃になりたくてここまで来ましたもの」

「でも、王子のことが好きなわけじゃないんでしょ?」

「えぇ。少なくとも今は興味ありませんわ」

「じゃあさ。

 なんでミーラは、王妃になりたいの?」


 その時の【彼女】の質問があったからこそ、きっと今の【私】を見つけることが出来たのだと、そう思いますの。



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