合コンという名の戦い 

俺は今学校にいる。時間はお昼時、今日もいつものように木部と共に教室で弁当を食べている。

にしても、木部は友達も多いのにな。なんでいつも俺と二人で……



「なぁ、合コンのことなんだけどさ、今日することになったから。」



「はあ!?お前いくらなんでも急すぎだろ。」

「俺ん家でするんだったら、せめて俺に意見を述べさせろ!」



「あはー、すまないな。昨日、早速女の子に電話してみたらさ、

なんか盛り上がっちゃって……」


ったく、コイツの行動力にはぐうの音も出ねえな。

この状況じゃあ、俺に拒否権はないじゃないか。



「で、その女子ってどんな奴らなんだよ。」


「ん?」


「だからー、その女子ってどんな人たちなんだよ。」


「ふむ、さては亀頭君女子に興味がないとか言いながら、まさか……」


クックソ、こいつうぜー……

心の中で全力で叫んでいる。


「もういいわ、とりあえず俺はすぐに帰る。」


「そうこなっくちゃな!」








学校が終わるとすぐに、俺は家へと向かう。




家に到着すると、すぐに、俺はとてつもなく心臓が高鳴っているのを感じた。



なんだこの感覚は……

ってか、早く俺の推しキャラたちを……



「ピーンポーン!」


嫌な音が鳴ってしまった。



まさかもう来たのか…… 


俺は恐る恐る玄関へと近づく。


そして、ゆっくりとドアを開く。


「おっす!早速だけどお邪魔するね。」


いや、「おっす!」じゃねーよ。というのもつかの間。


俺は体を押しのけられ、半ば強引に家に侵入されてしまった。


おいおい。




そんなこんなで、俺の家で合コンという名の戦いが始まった。



「それじゃあ、とりあえず自己紹介からしていこうか。」


木部の爽やかな声が響く。


「はーい、じゃあ私から、西本柚木です。」

「高校一年生で、颯斗とは塾が一緒でしたー。よろしく!」


茶髪でロングの明るい子といった印象だろうか。

さっきからの様子を見るに木部のことが気になっているであろうと思った。


「じゃあ次は私かな、加藤理沙です。」

「実は、二人と同じ学校なんだけどわかるかな?」



黒髪ポニーテールの清楚な感じの女の子という印象だ。



「もちろんさ」

木部がすぐに反応する。

「わかるかな?亀頭君」


俺の頬が急に熱くなる。


「っつぅ……」



俺はまさか自分に話が振られると思っていなかったのか、言葉に詰まる。




「まあまあ、そんなことより次ゆきの番だよ。」



ナイスアシスト!西本柚木。  俺は心の中でつぶやく。


「霜月雪。」


………………。



場が一瞬静まる。



って、それだけかよ。なんなんだこの子は、圧倒的に合コンに向いてないだろ。




「ねえ、ゆきーそれだけなのー?」

西本柚木が口をはさむ。



「……」

霜月雪は無反応である。



「ま、まあ次は俺たちが自己紹介しようか。な、なあ、亀頭」



「あ、ああ」



こいつ、気を使ったのか知らないが、俺に助けを求めるな。

明らかに動揺してるぞ、お前。



「じゃっ、じゃあ、俺から、俺は木部颯斗です。よろしく。」



ふっ、なにを緊張しているのかコイツは、こういうのは適当でいいんだよ。



「つつつっ次は、おおおお俺か。」

「お、おお俺の名前は、ききききき亀頭友だす。よろちく。」



よし、これでいい。よくやった俺。満点だ。



「プワッハハハハーーー」

「フハハーーー」



なぜか、西本柚木と加藤理沙が爆笑している。



「何緊張してるの二人とも、ウケるんだけど」

「そうだよねー」




「い、いや俺は緊張なんかしてないぞ」


と木部。



「してるっての」



「う、うるさい」



「で、亀頭君も緊張してたの?」


と加藤理沙。


「えっ!」


またもや頬が熱くなる。



なんで、俺にこんなにも話を振ってくるのかわからないが……


とりあえず


「べべべべべつにしてないよ。」



よしナイス返答。無難でよろしいぞ俺。



わっ。とここでまた一笑い。



「亀頭君顔赤いよ。」



「えっ」



「絶対緊張してんじゃーん。」



「だな。」



何が何だか理解できていないが……

とりあえず俺が少し笑われているのが分かった。


霜月雪を除いた三人に。



「颯斗も言えないからね。」



「う、うるさい。」



とこんな感じで、

西本柚木と木部を中心に話が進みつつ、それに、加藤理沙が相槌を売ったり、時たま、加藤理沙が俺に話を振ってきたりという形で話は進んでいき……



「じゃあ、今日はありがとうね。亀頭、また明日!」



という形で、無事合コンという名の戦いは終了した。



と、思っていた。




五分後までは…… 





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