第24話 鬼to神

 「はははっ!良いぜ。良いぜ!女の悲鳴を聞きながら犯すってマジたまんねぇ」

 男達はフェリスの太腿を掴み、大きく開かせる。パンティはズラされ、彼女の股間は荒々しく弄られ、赤くなり、愛液と唾液でギラついていた。

 そして、若者のそそり勃つイチモツが彼女の股間へと進もうとしていた。

 「やめてぇええええ!」

 フェリスが大きな悲鳴を上げた。

 その瞬間、ワゴン車が急ブレーキを掛ける。その反動で男達は転げる。

 「てめぇ!なにやってんだぁ!」

 男達が運転手に怒鳴る。

 「い、いや、目の前に・・・」

 運転手は驚きながら、前を指差す。

 彼らは前を見た。そこには制服姿の女子高生が立っていた。

 「な、なんだ・・・?」

 若者たちは睨みつける女子高生を凝視した。

 「お、おい・・・あいつ、刀を持ってるぜ?」

 「マジかよ・・・何者だ?」

 若者たちは刀を持つ女子高生の異質さに微かに怯える。

 

 「鬼の気に当てられたとは言え・・・女性を力で犯そうなんて」

 そこに立って居たのは真由であった。そして、その手にあるのは俊樹。鬼斬丸である。

 「ほぉ・・・姫騎士が輪姦されそうになっていたか」

 そこに現れたのが鈴丸であった。

 「おかしな気配を感じたから、止めてみたけど・・・正解だったみたいね」

 真由は怒りに満ちた表情でワゴン車を見る。

 

 「お、おい。どうする?」

 運転手が驚きながら、仲間に尋ねる。

 「う、うっせぇ。轢き殺せ」

 「バカか。そんなんしたら・・・」

 彼らが揉めている間にイオナが男を振りほどき、半裸の状態でワゴン車から飛び出した。

 「た、助けてっ」

 彼女は真由にそう叫ぶ。

 「まぁ・・・助けて言われたら、やるしか無いわね」

 真由は刀を上段に構え、ワゴン車に飛び掛かる。そして、一閃した。

 一撃でワゴン車の運転席が切断される。一瞬にして、ハンドルとメーター類が切断され、運転手の足元まで斬られた事で運転手は驚き、気絶した。

 「う、嘘だろ?」

 軽々と車が切断された事に若者達も驚く。その間にフェリスもワゴン車から飛び出した。

 「あら、フェリスさんでしたか?」

 真由はフェリスの姿に軽く驚く。

 「こ、これは・・・」

 フェリスも真由を見て、動揺する。

 「鬼を退治する前に・・・軽くお仕置きをして、力試しね」

 真由は刀を振るう。ワゴン車は更に切り刻まれる。

 「化け物だぁああああ!」

 若者達は股間を露わにしながら、脱兎の如く、逃げ出した。

 「悪漢は駆逐するべし」

 真由は鬼斬丸を舐め上げる。幾度か舐めると俊樹の姿に戻った。

 「あ、あなた・・・」

 圧倒的な力に驚くフェリス。

 「あなたが日本の姫騎士・・・巫女でしたか?」

 イオナは服装を直しつつ、真由に近付く。

 「見掛けない人ですね。どちら様ですか?」

 真由はイオナを見ながら尋ねる。

 「私は・・・姫騎士のイオナ」

 「ほぉ・・・男に犯されそうになったとは思えぬぐらいに堂々としているな」

 鈴丸はイオナを舐めるように見る。

 「お前・・・悪魔だな?」

 「そうだ。それがどうした?」

 鈴丸は挑発的にイオナに近付く。

 「鈴丸さん。お止めください。斬られますよ?」

 真由が心配そうに言う。

 「ふん。聖剣も無い姫騎士など・・・ましてや男に犯されそうなってた奴だからな」

 「あれは・・・油断しただけです。それに相手が生身の人間では、傷つけるわけにもいきませんし」

 「だから、やられたと?」

 「まだ、姦られてません!」

 フェリスが涙目で叫ぶ。

 「うるさい奴じゃ。何にしても・・・それではあやつには勝てんぞ?」

 「あやつとは・・・この事態を引き起こしている悪魔ですか?」

 「左様・・・あやつ・・・今も精力を吸い取り、強くなっておる」

 「場所が解るのですか?」

 「いや・・・だが、街の雰囲気をここまで変えるとなれば、相当の妖力じゃよ。お前らだって解っているだろ?」

 鈴丸に言われて、イオナは静かに頷く。

 「それで・・・あんたは同じ悪魔の癖になぜ、姫騎士と一緒に?」

 「彼女は我々の味方です。良い鬼とは言い難いですが・・・あなた方の言う悪魔とは違います」

 イオナは少し感がる。

 「確か・・・日本には悪魔なども神として崇める風習があるとか無いとか。この悪魔もその一つですか?」

 「解釈はどうにも・・・まぁ、その鬼はそうしたものの一つだと」

 それを聞いて、鈴丸は大笑いをする。

 「まぁ、そう言うことだ。よろしく頼むよ」

 鈴丸が差し出した握手の為の右手をイオナは軽く無視する。

 「どっちにしても、悪魔を倒さねばならないのでしょ?」

 イオナの言葉に真由は頷く。

 「このままでは街全体が鬼に喰われてしまいます」

 「そんな悪魔を放置しておけば、世界さえも揺るがされる」

 イオナとフェリスはキリっと凛々しい表情になる。

 「イオナぁああああ!」

 ようやく追いついた聖剣の少年達。

 「遅い。そもそも、聖剣の癖にあんな悪漢に負けているとは何事です?」

 イオナはマリオにキツく当たる。同様にフェリスも弟を叱りつける。

 「しかし・・・放置しておくと、街の彼方此方でお主たちが遭ったような事が起きているぞ。人間のタガが外れている。悪漢だけじゃなく、まともな奴まで頭がおかしくなる。性が乱れるぞ」

 鈴丸の懸念の通り、街中で性的な犯罪が横行した。

 痴漢、盗撮、強姦、売春。ありとあらゆる性犯罪が溢れ、人々の性欲が爆発しそうになっていた。

 それを眺めているのが一人の女だった。

 彼女の周りでは男女が淫れていた。

 「ははは。もっと・もっと淫れろ。この世をパラダイスにするのだ」

 彼女は人間が性欲に弄ばれる姿を見て、自らの興奮を高める。

 それは彼女の力となる。

 鬼は時に神になる。

 人々の心を掌握し、乱れさせる。

 それは神に等しい行為だった。

 「ははは。そうだ。私は神になる。お前らは自らの欲望に従っていればいい。この世界は我の物だ」

 彼女は自らの白い乳房を揉みながら、高笑いをする。

 精力が自らに流れ込む度に彼女は絶頂を迎えた。

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