第21話 僕は今日、男になりますっ!
フェリスは理事長室に来た。
そこには修道女姿の老婆が居た。
「まさか・・・全滅するとは・・・思いもしませんでした」
彼女は悲しそうに呟く。
「学長。すみません。私の指揮が至らなかったばかりに」
フェリスは頭を深く垂れる。
「いえ、あなたはよくやってくれています。相手が・・・相手が悪過ぎました。だが、そうであれば、余計にあの悪魔を滅せねば・・・人間界は悪魔に支配されてしまう」
「悪魔に支配・・・悪魔の目的はなんですか?」
フェリスの問いに学長は深い溜息をつく。
「彼等の目的は人間から生命力・・・精力を吸う事だけ・・・快楽に身を委ね。ただ、ひたすらに人間から精力を奪い続ける。彼等は欲望に忠実に生きているだけ、だが、それだけで世界は荒れ果て、人間は亡ぶかもしれない」
「欲望に忠実・・・それが悪魔なのですか・・・」
「そうです。だからこそ、滅ぼさねばならないのです。フェリス・・・当家は代々、姫騎士として、悪魔との戦いに挑み続けました。多くの血族が悪魔の前に倒れ、屈し、多くの聖剣が彼らの餌食になりました。だが、それでも我々は神に選ばれし、戦士なのです。あなたもその末裔として、戦い抜きなさい」
「学長・・・」
フェリスは思いを新たに、学長室を後にした。
フェリス達が動いてる間に真由と俊哉は何故か、一組の布団だけが敷かれた部屋に軟禁されていた。
障子越しには真由の母親と鈴丸が陣取っている。
つまり、ここで、俊哉と真由が一つになる事が強制されているのだ。
「こ、この状況でどうしろと・・・」
さすがにそんな状況で股間が膨らむはずもなく、唖然とする俊哉。布団の上で向かい合って座る真由も恥ずかしさのあまり、じっと下を向いたままである。
「あ、あの・・・その・・・」
真由が何か言いたげに声を詰まらせる。
「な、なんですか?」
俊哉も突然の事にビクリと背筋を伸ばして緊張しながら聞く。
「お、鬼は・・・すごい強いです。一代限りの姫騎士とは言え、数十人が束になって勝てなかったとすれば・・・多分、かなりの高位の鬼であったはずです」
「一代限り?」
「はい。西洋の姫騎士の多くは修道女などで能力がある者を姫騎士として育てるのが普通なのですが、一代限りの方は能力の差は大きく。大抵は姫騎士としての能力はかなり低いのです。それに対して、日本では元々、鬼を狩る家柄として、大きな力を持つ者をより濃縮するように受け継いでいるので、一代限りの姫騎士よりも遥かに強いとされています」
「はぁ・・・西洋にもそういった姫騎士は居ないのですが?」
「勿論、居ます。聖騎士の家系がそうです。彼女達は貴族として、聖職者として、代々、力を受け継ぎ、悪魔と戦い続けています」
「あのフェリスさんがそうなんですか?」
「はい。だけど、そのフェリスさんでも討伐が出来なかった・・・その鬼はかなり危険です。下手をすれば、私達も・・・」
「じゃ・・・どうしたら・・・」
その時、障子越しに鈴丸が声を掛ける。
「だから、お前らがパワーアップせねばならんのだろ。喋ってないで、早くヤレ」
「なぁああああ!」
突然の横やりに驚く二人。
「そ、そんな所で聞かれていて、やれるわけがないでしょ!」
真由が大声を出す。
「私等が何処かにいてもやらんだろ?まったく・・・男が草食過ぎて敵わんな」
「最近の殿方は、まったく」
真由の母親もやれやれと言った感じに呟く。それらは全て障子越しに丸聞こえだった。
「は、恥ずかしい・・・」
真由は更に顔を赤らめて、縮こまる。それを見た俊哉は突如、立ち上がる。そして、ズカズカと障子へと向かう。
ガシャン
激しく開け放たれる障子。その様子に鈴丸と母親は驚く。
「あの・・・二人っきりにさせて貰えませんか?」
俊哉は恥ずかしさを堪えて、二人に告げる。それは何か迫力のようなものがあり、鈴丸すら、呆気に取られる感じだった。
「わ、わかった・・・た、退散させて貰う」
鈴丸は母親を連れて、どこかに去って行った。それを見送った俊哉は障子を閉めて、再び、真由の前に立った。
「ま、真由さん・・・お、俺・・・頑張りますから・・・」
「が、頑張るって?」
真由は赤らめた顔を上げ、俊哉を見上げる。その時、彼の股間が激しく、膨らみ、まるで棍棒のように真由の目前に迫った。
「と、俊哉様・・・そ、それは・・・」
「お、俺・・・今から・・・君を抱く」
「あ・・・あの・・・」
俊哉の迫力に気圧された真由は布団の上に倒れるようにしなだれる。
「俺・・・やるからぁあああああ!」
俊哉は勢いに任せて、真由の上に覆いかぶさる。
「きゃああ」
真由はあまりの勢いに軽い悲鳴を上げる。
「真由さんっ!」
俊哉と真由の顔が間近になる。
見つめ合う二人。
動悸が激しくなる。互いの鼓動が聞こえそうな距離。
真由の薄い唇。白い肌。見開かれた瞳。
間近で見れば、真由が美少女だという事をはっきりと自覚が出来る。
俊哉は自然と真由の唇に吸い寄せられる。その流れに真由も身を委ね、大きく見開いていた瞳を閉じる。
そして、二人の唇は合わさった。
まだ、幼い、二人のキスはただ、合わせるだけだったが、それでも気分は高揚していく。
激しく興奮した気持ちのままに俊哉は彼女の胸に手を当てる。
その感触はあまりに柔らかく、とても同じ人間の感触とは思えない程だった。
胸に手が触れた瞬間、真由に口から吐息が漏れた。
それは苦しいからなのか、驚きからなのか。
ただ、そのピクリと身震いした反応に俊哉の気持ちは更に高まり、意識はただ、その一点に集中されていく。
股間の張り詰めは更に強くなり、はち切れそうになる。
胸に当てた手は自然とその大きな塊を揉み始める。
揉まれる度に真由は吐息を漏らす。
その吐息を感じる度に俊哉は胸を揉み、そして、左手は彼女の股間へと導かれる。
「い、いやっ」
股間に伸びた手が触れた時、真由はそう呟く。だが、それでも俊哉は止めない。それが真由の拒絶では無いと本能的に知っているように。
下着越しに触れた俊哉の手は真由の身体のうねりを感じる。
(濡れてる)
下着の湿りを感じた時、俊哉はその手を下着の中へと入れた。
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