第8話 女同士の意地の張り合いに男はただ、翻弄されるだけ
真由に作業的に射精させられた俊哉は賢者モードのまま、立っていた。
「あのルリという姫騎士・・・キケンですね」
真由は少し考え込む。
「危険って・・・何がですか?同じ姫騎士でしょ?」
「同じですが・・・鬼に対する考え方が短絡的と言うか、何も考えていないというか。放置しておいたら、何かとんでもない間違いを犯す気がして」
「とんでもない間違いですか。確かにここに来たのも何も考えてないみたいでしたもんね」
「そういう事。どうしたらいいかしら」
「見つけ出して、ちゃんと教えるとか?」
「それも・・・手ね。だけど、姫騎士になる人は大抵、一通りの事は最初に教育されているはずなんだけど」
「そんなもんなんですか?」
「西欧の姫騎士だと、学校があるぐらいよ。確か、日本にもあったはず」
その時、不意に女の子の声がした。
「聖ルナリアル女学院」
それを告げたのはフェリスだった。
「フェリスさん・・・どうしてここに?」
「うちの生徒が迷惑を掛けたわね」
「生徒?」
真由と俊哉がハモる。
「えぇ、あのルリって子はうちの学校の生徒よ」
フェリスの言葉に真由は納得したような表情になる。
「なるほど・・・そうですよね。姫騎士となれば、我が国ではあなたの学校しかありませんからね。悪いですが。生徒の躾ぐらいはしっかりしておいてください」
真由はすこし嫌味っぽく言う。
「ふん・・・まぁ、確かにあの子は少し、躾が必要なのは認めましょう。でも・・・この悪魔の門からは少々、悪魔が漏れ出る量が多い気がしますよ。この街・・・いや、この地域一帯に出現する悪魔の数は・・・半端じゃ無いのは御存じでしょ?」
逆にフェリスが嫌味っぽく真由に言い放つ。
「それを言えば・・・世界中の地獄門・・・悪魔の物が活性化しています。何もここだけの問題では無いかと?」
「だけど・・・私はこの日本で悪魔祓いを仰せつかった身。確かにこの国にはこの国のやり方があるのでしょうけど・・・聖騎士団から派遣された姫騎士としては・・・見過ごせないのですよ」
対立する二人の少女。
「あなたのおっしゃることは十分に理解しました。しかしながら、ここは日本。勝手をされては道理が通りません」
「道理?・・・ふん・・・悪魔を祓うのに・・・つまらないしがらみに付き合うつもりはないわ。邪魔をするなら・・・排除させて貰うわよ?」
フェリスは顔こそ笑っているが、言葉に怒気が籠っている。
「やり合うなら・・・こちらも容赦はしません」
真由も一歩も譲るつもりは無いようだ。
「へぇ・・・この間まで聖剣すら持ってなかった処女が言うじゃない・・・てかっ、あんた、まだ、処女じゃないの?生娘の匂いがするわよ?」
フェリスは嘲笑する。
「生娘・・・悪いけど、あんたみたいなヤリ過ぎて黒くて臭い穴とは違うのよ」
真由は顔を赤らめながらとんでもない事を言う。それを聞いて、嘲笑していたはずのフェリスが一転、激昂する。
「なんだってぇえええ!誰がヤリ〇ンですか?誰が?許せない!許せません。神に仕える私をその辺のビッチと一緒にするんじゃありませんよ!」
「ふん。そもそも姫騎士など、一族の歴史も重んじず、その辺の女子から適当に適性のある女子を拾ってきて、据えているだけじゃないですか。だからあんなアバズレみたいな輩が出て来るんですよ」
真由は口撃を止めない。多分、普段から、思う事があったのだろう。
「何を言っているの?我々はちゃんと神の御加護を受けて、姫騎士になっているのよ!あんた達みたいに血脈を大事にしているから、数が足りなくて、今になって、困っているんでしょ?明治以後、日本の悪魔退治を担ったのが我々だということを忘れていませんか?」
「何を言っているの?個の力なら我々の方が圧倒的にあるんです。御刀に頼らなくても儀式や術で幾らでも鬼を抑える事だって出来るのですよ」
「何が御刀よ。神の御加護を受けた聖剣の方が遥かに悪魔を仕留める事が出来るわ。そんな大きいだけのナマクラ。私の弟に比べればねぇ」
「何が弟ですか。不潔です!近親で・・・その・・・」
「何が近親?近親の次は何よ?言えないの言えないのですか?そもそも、あんたが考えている事は浅はかよ。弟とは血の繋がりが無いのですから、彼は聖剣として、常に傍に置いておくために養子として迎えただけですからね。便宜上、弟と呼んでいるだけよ。正確には義弟よ」
「そんなおかしな事をやって・・・やっぱり不潔よ!」
二人の言い合いはヒートアップしていく。その頃にはフェリスに付いて来ていた弟のシャルルが心配そうに姿を現した。
「君も大変だね・・・」
何故か同情してしまう俊哉。その言葉にシャルルも困惑気味に頷く。
「解ったわ・・・決闘よ。どちらが上か・・・ここで決めるわ。シャルル!剣を抜くわよ」
「ね、姉さん」
シャルルは姉の勢いに怖気づきながら困惑する。
「俊哉様・・・ここは引けません。御刀を抜かせてください」
真由も負けずと俊哉の股間に手を当てる。
だが、そんな状況で勃起するはずもなく、堅くない股間を触りながら真由が焦る。
「ど、どうして」
「い、いや・・・さっき抜いたばかりだし・・・状況が・・・」
俊哉は困惑してしまう。だが、それはフェリス達も同じだった。手慣れた手つきのフェリスの指の動きにも怖気づいて困惑するシャルルの精神状態では勃起には至らない。
「こら!なぜ、私の手技で勃起しないのです!裸ですか?裸が見たいのですか?」
フェリスに怒られ、増々、シャルルは情けない顔になる。
二人の女子が男子の股間を弄るが、一向に勃起する気配が無い。
「仕方がない!これでどうよっ!」
フェリスがいきなり制服の上着を捨て、シャツのボタンを外していく。すると赤いブラジャーに覆われた白い乳房が露わになる。それを見た瞬間、俊哉の股間は反応する。
「あっ」
真由は堅くなった股間を掴む。
「なんで、あんな女の裸を見て、堅くするんですか?」
真由は怒りを俊哉に向ける。
「い、いや・・・そ、その」
俊哉は真由の怒りに困惑するもフェリスの乳房に目がいってしまう。
「はははっ!女としてはこちらの方が格が上って事よ」
フェリスが勝ち誇ったように叫ぶ。だが、シャルルはビビったままで勃起が出来ていないようだ。
「ふざけないで!俊哉様は私の肌の方が好みのはずです!」
そう言うと真由も上半身を露わにした。清楚な白いブラジャーに覆われた白人の肌とは違う白さの乳房が見える。これに反応したのがシャルルだった。
「なっ!あんたはあんな黄色い猿のおっぱいで勃起させているの?」
今度、怒ったのはフェリスだった。だが、シャルルの目は真由の乳房に釘付けであった。それに気付いた真由は恥ずかしそうに両手で乳房を隠す。その仕草が余計にエロかった。
「ふざけるな!とにかく、堅くなったら、抜くわよ!」
フェリスはシャルルをサーベルに変えた。慌てて、真由も俊哉の股間を握り、彼を大剣に変える。
「真由さん・・・因縁の対決と言えるわね。あなたには幼少期より、様々な事で張り合ってきましたけど・・・これで決着を着けますわ」
フェリスはサーベルを構える。それに呼応して、真由も大剣を上段に構えた。
「ふん・・・負けません」
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