第7話 そんな所から溢れ出しているんですね?
ルリの問い掛けに真由は答える。
「悪魔の門・・・地獄門の事ですね。確かに・・・この近くにあります。代々、我が家が門番として、管理しております」
「門番ね。そいつはちょうどいい。案内してちょうだい。こんな風にこいつにチ〇コを丸出しにさせて、悪魔を呼び寄せるのも飽きたわ。このやり方じゃ・・・高位の悪魔は出て来ないしね」
ルリはヘラヘラと笑いながら真由に近付く。
「地獄門は厳重に管理されております。安易に近付いていただくのは困ります」
真由は少し怒り気味にルリに言う。
「あら・・・教えてくれないの?いいわ。勝手に行かせて貰うから。行くわよ。アツシ!どんどん、悪魔を狩って、姫王になるんだから」
「あっ、待って」
真由はルリ達を追おうとするが、彼女達はさっさと歩いて行った。
「あの・・・真由さん・・・あの変態達が・・・姫騎士ですか?」
俊哉は呆れたように真由に尋ねる。
「そ、そのようですね。確かに御刀の臭いに寄って来る鬼は多いです。かつては男女の営みを敢えて、見せつけ、誘き寄せたとも言いますし」
「いとなみ・・」
俊哉は少し恥ずかしそうにする。
「それよりも、あのルリという子が地獄門へと近付くのは危険です」
「地獄門って何ですか?あっちは悪魔の門とか言ってましたけど」
「地獄門ですか。それは鬼が出現する裂け目のようなもんです。古より地獄へと通じていると言われますが、未だにその原理は不明です。幾度となく封印が試みられましたが、完全に封印する事は出来ないままです。その為、鬼はそこから漏れ出て、人間界を彷徨っているのです」
「なるほどねぇ・・・じゃあ、その門の前で姫騎士が鬼が出て来る度に退治していたら、良いんじゃないの?」
「そういう考え方もあります。ただ、門をあまり封鎖すると、その門が閉じて、別の場所に門が開くとされています。だから、我々は門を一カ所に固定し、それを維持しながら、鬼を狩るという方法を取っています」
「なるほど・・・確かにあんまり彼方此方に移動されても困るもんだからなぁ」
「そういうことです」
二人は歩いて行く先には神社があった。その神社はかなり大きく、立派だった。
「鎮守の森が広いな。街から外れているとは言え」
俊哉が大きく育った木々に驚く。
「鎮守の森は人避けの結界になっています。ここを訪れる事が出来る人は限られています」
「そうか・・・」
立派な神社だが、人の姿はまったく無かった。
大きく真っ赤な鳥居を潜り、真っ白な石畳を二人は歩く。
「すでに・・・先ほどの姫騎士が到着しているようです」
「解るの?」
「はい・・・鬼の気配が強くなってますし・・・」
「鬼の気配ねぇ・・・僕には解らないけど」
「そうですね。御刀になられる方はあくまでも御刀になれるというだけで、その手の能力を備えていない事の方が多いですからね」
「なるほど・・・剣になるだけの存在って事ですか」
「そ、そんなわけじゃありませんが・・・ただ、御刀が無ければ、倒せないような鬼もかつては存在したと言われます」
「かつて?」
「大抵は儀式などで祓えます。ただ、数十年に一度の割合で強力な鬼が出て来るのです。その時、人は様々な方法で倒す方法を探ってきました。それこそ、人柱を立てたりもしました。まぁ、多くの損害を出して、辿り着いた先が御刀ですから」
「御刀・・・ねぇ」
「元は御刀は処女を犠牲にして作られたそうですよ」
「へぇ・・・それがなんで・・・こんな風に?」
「人の命・・・命の源である精力。それを呪術によって形取ったのが今の形であり、もっとも鬼に効果的であった。それだけの事です」
「な、なるほど・・・世界規模でそこに応えが行きついたわけだ」
「そうですね。不思議なものです。歴史は違えど、行き着く答えは同じなのですから」
真由がそう言った時、空間の雰囲気が変わった。
「結界?」
「そうです。姫騎士が戦っています」
目の前にはルリの姿が現れた。
「苦戦しているみたいですね」
真由がそう声を掛けると息を切らせたルリが振り返る。
「苦戦?冗談じゃないわ。この程度で」
幾つも黒いモヤがそこに居た。
「あんなにも鬼が・・・」
「ここは門の前ですから、常に鬼が出てきます。特に最近はその量も半端じゃなく多いです」
真由は制服の上着を脱いだ。
「俊哉様・・・御刀を・・・」
恥ずかしそうに俊哉に声を掛ける。その一言で彼女が何を求めているかを察した俊哉はすぐにチャックを下ろす。
「邪魔はしないでっ!」
ルリは二人にそう叫ぶ。すると手にしたナイフで一体の悪魔を斬り倒す。その素早さは目にも止まらない程だ。
「悪いけど、私はこの程度の悪魔に手こずらないわよ」
ニヤリと笑うルリ。
「はぁ・・・しかしながら、そこは門の前です。際限無く、鬼が・・・悪魔が出てきますよ?」
真由は俊哉が露出させた男性器を掴む。そして、指先で転がすように刺激を与える。その微妙な感じが一気に勃起を促される。そして、堅くなった途端、彼の身体大剣へと姿を変えた。
「それがあんたの・・・聖剣・・・凄いじゃない」
ルリは真由が持つ大剣を見て、驚く。
「まぁ、キリの無い事をやってもあなたの成果にはならないことは解ったでしょ?残りは私が処理します」
真由は大剣を振るい上げ、一気に駆ける。
大剣が一閃して、黒いモヤが真っ二つになる。
「化け物?」
その勢いにルリは驚く。
「滅せよ!」
真由はスカートのポケットから取り出した札を片手で投げ飛ばす。札は黒いモヤに貼り付き、一瞬にして彼らを分解した。
「さぁ、鬼はとりあえず、消えました。ここから出て行ってください」
その場にいた鬼を全て駆逐した真由は仁王立ちでルリにそう告げた。
「ちっ・・・解ったわ。ここで幾ら、暴れても成果にならないんじゃ・・・意味がないわ。大人しく下がってあげる」
ルリはつまらなそうにその場から去って行った。彼女が去ったのを確認した真由は嘆息して、大剣を下ろす。それから柄を擦り、俊哉をイカせた。
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