第6話 あいつ・・・こんな場所でモロに露出してるっ!
聖剣として、初めて、悪魔を倒した。
丁寧に先っぽから出る精液をティッシュで真由に拭き取って貰う。あまりにエロくて、亀頭の先の刺激にまた、大きくなりそうだった。
「俊哉さん・・・ご苦労様でした」
真由は丁寧に股間をパンツの中に戻し、チャックを上げながらそう告げる。
「あ、あの・・・あれが悪魔ですか?」
「そうです。あれもまだ、弱い部類です」
「あれでもですか」
「本当に強い鬼はもっとちゃんと形を持っています。それこそ、人と相違ないような姿を鬼こそ、本当に危険な鬼です」
「人と相違ない・・・それは人の姿をした悪魔が居るんですか?」
「えぇ、凶悪な奴は人の成りをして、潜み、そして、多くの魂を奪う好機を狙っています」
「そ、そんな・・・」
俊哉はさっきみたいなのが、人の形をして、近くに居るかもしれないと思うと、怖くなる。
「それを見付け出し、調伏するのが我々の役目です。そのように強力な鬼を討つにはあなたのような刀が必要なのです。札や儀式ではどれだけの犠牲を払う事になるかわかりません」
「そ、そうですか・・・はい」
イマイチ、実感が湧かないものの、真由の真剣な表情に俊哉は納得したように頷く。
「そういう事ですから、これからは出来る限り、お互いが近くに居る方が良いと思うのです」
真由の言葉に俊樹は驚く。
「ど、どういう事ですか?」
俊哉が真由に尋ねようとすると佳奈美が姿を現す。
「この家に一緒に住んでいただくということよ」
佳奈美の一言に俊哉は唖然とする。
「ど、どういうことですか?」
「我が家の習わしで、御刀に選ばれた者は巫女と一緒に過ごすのです」
「一緒・・・いっしょ?」
「そうです。寝食を共にするのです」
「ま、真由さんは・・・いいんですか?」
そう尋ねると恥ずかしそうに真由は俯くが、コクリと頷いた。
突然の事だったので、今日の所は帰り、同棲は荷物などを運ぶ為に1週間程度、先延ばしにして貰った。
翌日。
何故か、真由が家の前で迎えに来ていた。
「お、おはようございます」
そう挨拶をしてくれる真由に俊哉は緊張しながら、挨拶を返す。
「どうして、迎えに・・・」
「一緒にいないといけないから」
そう答えられて俊哉の緊張は更に高まる。
二人は僅かな距離を開けつつも隣同士で歩く。
まさか、こんな風に女の子と一緒に歩く日が来るとは思わなかった。
俊哉の心臓はバクバクに鼓動しているし、真由は俯いたまま、一言も話さない。
こんな調子で学校へと向かう住宅街の道を歩いていると、一人の男が歩いて来る。俊哉は彼を見ると、とても美形でかなりのオシャレであった。まるでアイドルかと思うような男だ。
だが、何か・・・違和感がある。
俊哉はその違和感が何かと思って、彼をよく見た。
「俊哉さん・・・あの方・・・御刀・・・聖剣です」
「聖剣?」
真由に言われて、俊哉は彼の股間を見た。その瞬間、凍り付く。違和感はそこにあった。
彼は股間のチャックを全開にして、男性器をモロに出していたのだ。
「聖剣は・・・股間を出していなければならない仕来りでも?」
俊哉は恐る恐る真由に尋ねる。
「そんなわけありません。ただ、出しているという事は・・・近くに姫騎士が居るのかも?」
周囲を見渡すが誰かがいるという感じでは無かった。
「あいつ・・・そんなに大きくは無いけど・・・いや・・・小さい?」
よく見なければ、チャックから外に露出しているかも解らない程度の大きさのそれは勃起してなくても、大きくはないと思った。むしろ、ズボンからの露出部分が少ないから誰も即座に出しているとは思わないのかもしれない。
「小さいとか大きいとかどうでも良いですけど、姫騎士も居ないのに、なんで出してるんでしょう?」
真由は俊哉に寄りそうようにして疑問を口にする。
「さぁ・・・何か意味があるのかも・・・もしくは変態・・・それより、あの男が聖剣ってよく解りましたね」
「姫騎士は別に股間を見なくても気配で聖剣だと察知します。無論、股間を見ればより確かになりますけど・・・」
「じゃあ・・・姫騎士を探しているとか?」
「自分が聖剣だと解っている方は居ないと思いますよ。俊哉さんだって、そうでしたでしょ?聖剣は姫騎士が触って、初めて変化するものです。じゃないと普通の方と何も変わりません」
「そうなんですか・・・。じゃあ・・・変態なのでは?」
「そ、そうですよね。違う道から行きますか?」
真由はそこに立つ男を避けるように後退りを始める。その時、彼は二人に気付いた。
「やぁ!姫騎士と聖剣だね?」
あまりに爽やかに彼は声を掛けてきた。だが、やはり股間はムキ出しだ。
「あ、あの・・・困ります。僕ら、忙しいので」
俊哉は真由の手を引いて、逃げ出そうとした。
その時、真由の足が止まった。
「俊哉さん!鬼です!」
真由の言葉と共に空間が変異した。
「こ、これは・・・」
俊哉が昨日の事を思い出す。
「俊哉さん、すぐに出してください」
「だ、出す?」
俊哉の問い掛けに真由が恥ずかしがる。
「そ、その。御刀です。御刀を出してください」
「お、御刀・・・あぁ、これね」
俊哉が気付いて、チャックに手を伸ばす。その時、何かを感じた。振り返るとさっきの男の姿が消え、見知らぬ少女が立っていた。彼女はまるでアイドルかと思わせるようなルックスで大きく弧を描くように結ばれた二つの髪が愛らしさを感じさせる。だが、その手には一本のナイフが握られている。
「さぁ、悪魔ちゃん・・・いらっしゃい。そこの姫騎士には取られないから」
彼女はそう言うと、ヒラリと宙を舞った。
刹那、黒い塊が彼女を包むように襲い掛かる。
「まずいっ!」
俊哉はそう思いながらチャックを一気に下ろした。
だが、それは一瞬の出来事だった。まるで吹き飛ばされたように黒い塊が消えた。クルリと回りながら着地した少女は顔を上げ、俊哉たちを見た。
「お姉さんたち・・・姫騎士と聖剣だね?」
その問い掛けに驚いて硬直していた二人は我に帰る。
「あぁ、そうだけど・・・君は?」
「私は・・・ルリ・・・姫騎士よ。こちらはタクヤ」
ルリはそう言うとナイフの柄を舐め上げる。それはあまりに淫靡で幼さを残す顔からは思えないような雰囲気だった。
そして、飛び出す白濁した液。それと共に人間に戻るあの男。
「ははは。ルリの言う通り、股間を出していたら、悪魔がやって来たよ」
タクヤは髪をファサと跳ね上げながらカッコいい仕草をして、言う。だが、股間は剥き出しのままだ。
「あ、あの・・・股間を隠した方が・・・」
俊哉はとりあえず、タクヤに言う。
「いいのよ。悪魔を寄せる為に出しているのだから、あいつらは聖剣の臭いに寄ってくるわ」
ルリは平然と言い放つ。
そういうものなのかと俊哉は怖気づく。
「それより、聞きたいのだけど・・・ここら辺に悪魔の門があるって聞いたけど、どこかしら?」
ルリは真由に仁王立ちで尋ねた。
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