第36話
『レベルが上がりました』
シロがゴーレムを倒したことにより、俺は戦闘していないにも関わらず、レベルが上がってしまった。まあシロは俺と契約をしているので、シロが倒した経験値は契約者である俺にも流れるのだ。
しかし、同じ契約しているソウガたちはレベルアップしていないようなので、基本的に戦闘に参加した魔物と俺に経験値が加わると考えていい。
そんなわけで、六階層での初戦闘がサクッと終ったので、ひとまずドロップアイテムを回収しながらステータスも決めていった。
名前:神代幸勝
年齢:22
種族:人間Lv:26→27
職業:召喚勇士Lv:20→21、トレジャー・マスターLv:12→13、ネクロ・ロードLv:12→13、武闘戦士Lv:12→13
MP:280→305(+120→270)
筋力:150→157
耐久:150→157
敏捷:151→158
器用:149→156
精神:145→152
BP:20→0
SP:33→38
【オリジンスキル】
≪鬼運≫≪不幸感知≫
【ユニークスキル】
≪システム≫≪スキルコンシェルジュ≫≪魔力支配Lv:6≫≪魔法創造≫≪危機脱出Lv:1≫≪高性能マップ≫≪時属性魔法Lv:3≫
【スキル】
≪精神安定≫≪鑑定Lv:7≫≪気配遮断Lv:7≫≪契約≫≪罠解除Lv:5≫≪隠匿Lv:7≫≪夜目≫≪超回復・魔≫≪超回復・体≫≪受けLv:4≫≪魔物図鑑≫≪強制起床≫≪即時戦闘態勢≫
【武器】
≪棒術Lv:7≫≪投擲Lv:2≫
【魔法】
≪火属性魔法Lv:2≫≪水属性魔法Lv:3≫≪風属性魔法Lv:4≫≪土属性魔法Lv:3≫≪木属性魔法Lv:3≫≪雷属性魔法Lv:4≫≪神聖魔法Lv:3≫≪空間魔法Lv:5≫≪生活魔法≫≪召喚術≫
【称号】
≪先駆者≫≪未知との遭遇≫≪原初の超越者≫≪原初の魔術師≫≪魔と友誼を結ぶ者≫≪悪意を見抜く者≫≪制圧者≫≪孤高≫≪暴き見る者≫≪ザ・トレジャー≫≪着飾る者≫≪不死者を従える者≫≪ユニーク・ハンター≫≪無名の兵≫
【装備】
身代わりのペンダント、白狼の外套
【所持G《ゴールド》】
4G
【契約】
ブルーゴブリン×1、レッドゴブリン×1、ゴブリン×6、スケルトン・ソルジャー×1、スケルトン×8、メタルスライム×1、ダーク・バット×1、白狼×1、グラスウルフ×10
【シロLv:1→2】
≪霊能力≫≪索敵Lv:1≫≪気配遮断Lv:1≫≪近接戦闘術Lv:1→2≫
BPはMPに10、あとは2ずつ振り分ける形で終わった。
スキルレベルは全く上がっていないが、順調にSPが貯まっていってるので、【経験値獲得量増大】のスキルもあと少しだ。
「魔法の訓練をしようと考えたところにシロの戦闘だからなぁ。正直棒術はあまり意識してなかったし……」
シロの戦闘により、ある程度の境地に達した武術は、敵の耐性すら無視してダメージを与えられることが分かった。
もちろん魔法の方が応用力があるのは間違いないが、棒術も使って損はない。
「あれだな。今回はクリアを第一目的として、魔法の訓練とかはクリア後にすればいいな」
今この階層は俺にとって未知なので、修行で魔力を消費し、何か大変な目に遭ったら困る。
なので、ひとまずはこの階層のことをある程度調べてから、魔法の練習をしようと思った。
ひとまずの目的を決め、再びスケルトンたちに採掘の指示を出そうとした瞬間、この階層に何かないか探知させていたグラスウルフたちから連絡があった。
その連絡というのも、ついこの間手に入れた『感覚共有』による意思の伝達なのだが、どうやら何かを見つけたらしい。
先にそっちを優先するべく、グラスウルフたちのいる方へ向かうと、全員が集まっており、大人しく座って待機していた。
すると、俺を認識したグラスウルフたちがすり寄ってきたので、軽く撫でる。
「何か見つけたみたいだけど、どこだ?」
「ウォン!」
グラスウルフは一つ吠えると、そのままとある場所まで先導する。
そこは特に変わった様子はない、大きな岩が一つ存在していた。
大きさはだいたい俺の身長の三倍くらいありそうな巨岩だが、周囲には似たような巨岩がいくつも転がっており、むしろこの巨岩はこの場所においては小さいほうかもしれない。
そんな岩がたくさん転がっているこの場所で、グラスウルフたちは目の前の巨岩に何かあると訴えていた。
しかも、その場所は巨岩の下らしく、グラスウルフたちが一斉に掘り始める。
なのでスケルトンやゴブリンたちにも手伝うように指示を出し、しばらく採掘する様子を見ていると、巨岩の下から宝箱が出てきた。
「マジか。迷宮じゃなくても宝箱ってあるんだな……」
まさかこういったフィールド系のダンジョン内で、ゲームのように宝箱があるとは思っていなかった。
【罠感知】を発動させながら宝箱の様子を確認するが、特別何か仕掛けられてる様子はない。
それでも一応用心して、スケルトンに宝箱を開けさせた。
すると宝箱の中には、小さな赤い宝石が埋め込まれた指輪が一つ入っていた。
スケルトンはそれを取り出すと俺に渡してくれたので、すぐに【鑑定】を発動させた。
【力の指輪】……E級アクセサリー。装備者の筋力を僅かに上昇させる。
「これまた何とも言えない性能だな……」
装備するだけで筋力が上昇するので特別文句はないが、白狼の外套も含め、どれくらい上昇するのか数値で表示してくれないのでよく分からないのだ。ステータスにも表記されないし……。
でもこのアクセサリーの説明が嘘だとは思えないので、間違いなく上昇しているのだろうが、確認する術がない。何なら白狼の外套で敏捷力が上昇したと言われても、装備前の俺の最高速度がどんなものなのかすらちゃんと分かっていないので、装備したところで敏捷値に関してはあまり恩恵を感じられない。
俺が本気で動くような戦闘があれば別なんだろうが、そんなのはないに越したことはない。本気で動く必要があるってことは、それだけ危険な状況なわけだし。
「まあでも、装備して悪いことはないんだから、装備するけどな」
俺は力の指輪を右手の中指に嵌めて見ると、アクセサリーにもともと備わっている効果なのか、自然と指にフィットした。あれ? 筋力の上昇よりこっちの方がすごくない? 他のアクセサリーもこんな風に装備者にサイズを合わせてくれるんだろうか?
新たに気になることができつつ、他に見つけたものはないようなので、今度はグラスウルフたちも一緒に、ダンジョンの探索に戻るのだった。
***
「! グルル……」
「シロ?」
しばらくの間、魔物の襲撃もなければ宝箱を発見したりすることもなく、適度に魔晶石を採掘しながら進んでいると、突然シロが唸り始めた。
それに合わせてグラスウルフたちも警戒した様子を見せつつ、唸り声を上げる。
まだ俺の【高性能マップ】には反応がないが、どうやらシロたちは何かの反応をキャッチしたらしい。
『感覚共有』でいつでも戦えるように指示を出していると、シロたちが警戒していた存在が姿を現した。
それは二足歩行のトカゲといった姿で、身長は成人男性と同じくらい。
周囲の環境のようにゴツゴツした黒い鱗を持ち、手には簡素ながら槍が握られていた。
「あれは……」
まだこちらに気づく前に俺はすぐさま【鑑定】を発動させる。
【リザードマンLv:3】……ランク:D。弱点:氷属性魔法、火属性魔法。耐性:斬撃。
説明:爬虫類の性質と人間の性質を併せ持つ魔物。簡単な道具であれば、人間のように扱うことができる。その皮膚は非常に頑丈で、険しい岩山での生活に適応している。爬虫類としての変温動物という特性を引き継いでいるため、環境による急激な体温の変化に弱い。知能も高く、主に群れで生活しており、狩りの際は団体で行動する。
説明のとおり、リザードマンは一体だけでなく、五体の団体で行動していた。
それと、やはり手にしている槍は飾りではなく、ちゃんと武器として扱えるらしい。ゴブリンたちも棍棒を武器として使っていたが、またそれとは違った扱い方だろう。知能も高いっていうし、純粋に振り回してくるんじゃなく、槍として攻撃してきそうだ。
シロたちが先に気づいてくれたので、近くの巨岩に姿を隠した結果、まだ向こうには気づかれていない。
……ここまでシロたちが活躍しっぱなしで、ソウガたちからも戦いたいという意思が伝わってきたため、俺はソウガたちに奇襲を指示した。
すると、指示を受けたソウガたちは嬉々としてリザードマンに向かう。
ただし、ちゃんと巨岩を利用しつつ、徐々にリザードマンとの距離を縮めていくと、ついにソウガが一体のリザードマンに襲い掛かった。
「ギャ!」
「フシュー!?」
リザードマンたちは突然の襲撃に混乱するも、すぐに陣形のようなものをとり始め、ソウガたちを迎撃する。
だが、同じDランクでレベルの高いソウガたちは、そんなリザードマンの攻撃をかいくぐり、的確にダメージを与えていった。
「ギャ!」
「ギ」
「――――」
特にソウガとコウガ、ネクロの三人は手にしている武器を巧みに操り、ソウガに至っては棍棒でリザードマンの槍を巻き上げると、がら空きとなった胴体に一撃を叩き込んだ。す、すげぇな。
思わずソウガたちの戦いっぷりに感心していると、俺と一緒に戦いを見守っていたシロが再び唸り始めた!
「どうした……っ!?」
シロの唸り声の直後、俺の【高性能マップ】にも新たな敵の反応を察知したのでその方向に視線を向けると、上空に鳥の姿が!
その鳥は全身茶色で、大鷲のような見た目をしているが、足が極端にデカイ。
体長自体は翼を広げた状態ならグラスウルフくらいの大きさがあるものの、あの巨大な足はシロですら軽々と掴みあげてしまいそうだ。
新たな魔物に対し、再び【鑑定】を発動させる。
【キックバードLv:2】……ランク:C。弱点:なし。耐性:なし。
説明:巨大な足を持つ鳥。特別な弱点もなければ耐性もない。その巨大な足から放たれる蹴りの威力はすさまじく、巨大な岩をも砕く。自身の何倍もある獲物を軽々と掴み上げ、上空から落とすことで命を奪い、糧としている。足の力に注目が集まるが、巨大な獲物を持ち上げるだけの筋力が翼にあり、ただ翼で叩くだけでも脅威となる。
「またランクC……!」
六階層にきて、いきなり難易度が上がったようにも思えるが、今のところ俺たちは仲間の数やレベルで対処できている。
ただ、キックバードはリザードマンと戦っているソウガたちを狙っているようで、そのことにソウガたちは気づけていなかった。
「『アクセル』!」
俺はすぐに魔法を発動させながらキックバードの近くまで駆け出しつつ、同時に『感覚共有』でシロにもサポートを頼んだ。
すると、指示を出した直後にキックバードは誰かに狙いを定めたようで、急降下を始めた。
その先にはリザードマンを圧倒しているソウガの姿が。
このままではソウガは上空からの奇襲にやられてしまうが、その前に俺が間に合った。
「ハアッ!」
「ピュィイイイ!?」
キックバードの真横から加速した勢いをそのままに、骸骨兵の骨を勢いよく胴体に叩きつける!
すると俺たちのことには気づいていなかったようで、キックバードは突然の奇襲に驚き、叫び声を上げながら吹き飛んだ。
その声でソウガたちもキックバードに気づくと、リザードマンと戦いながら上空も気にし始める。
ひとまずソウガたちに心配はなさそうなので、改めてキックバードへ追撃しようとしたところ、俺の指示を受けていたシロがそのまま駆け抜け、体勢を整えて飛び立とうとするキックバードの足に噛みつき、思いっきり振り回して……俺の方に投げてきた!?
「ちょっ!?」
まさかここでそんな乱暴なパスが飛んでくるとは思っていなかったが、【即時戦闘態勢】のおかげで一瞬にして体勢が整うと、そのまま飛んできたキックバードの脳天目掛けて骸骨兵の骨を振り下ろした。
俺の一撃をキックバードは避けることができず、そのまま地面に叩きつけられる。
「ぴ、ピュィ……」
だが、まだ息があったので、俺はすぐに振り下ろした骨を首にあて、足を使いながらテコの原理で首をへし折った。
……なんか俺、やたら首をへし折って倒すことが多い気がするんだが……気のせいだろうか。
思わずそんな考えが過りながらも、無事キックバードは光の粒子となって消えていく。
するとちょうどソウガたちの方も戦闘が終わったようだった。
『レベルが上がりました』
そして、まだこの階層にきてそんなに時間は経っていないにも関わらず、またレベルが上がるのだった。
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