第31話

 ひとまずグラスウルフの群れを殲滅した俺たちは、辺りに散らばったドロップアイテムを回収した。

 本当ならここでドロップアイテムの確認をしたいところだが……。


「ドロップアイテムの確認は帰ってからにするか……」


 迷宮や洞窟内部では、閉鎖された空間だったことからも死角を作りやすく、多少は魔物を気にせずアイテムの確認をすることができた。

 しかし、この草原地帯ではとても死角なんて呼べる場所は見当たらず、俺たちの姿は丸見えである。逆にいえば、俺たちも警戒しやすいってメリットでもあるんだが、ここに留まってると他の群れに見つかるかもしれないからな。


「でも、ステータスだけは確認しておくか」


 ドロップアイテムはすぐに大幅な戦力強化につながるようなものは少ないかもしれないが、その点ステータスの上昇は確実な戦力の強化につながる。

 それにステータスも先ほどの戦闘でMPの重要性を再認識したところだからこそ、割り振るものも特に悩まないのだ。

 その結果が以下の通りである。


名前:神代幸勝

年齢:22

種族:人間Lv:20→21

職業:召喚勇士Lv:14→15、トレジャー・マスターLv:6→7、ネクロ・ロードLv:6→7、武闘戦士Lv:6→7

MP:150→175(+120)

筋力:101→111

耐久:101→111

敏捷:107→112

器用:105→110

精神:101→106

BP:20→0

SP:5→10

【オリジンスキル】

≪鬼運≫≪不幸感知≫

【ユニークスキル】

≪システム≫≪スキルコンシェルジュ≫≪魔力支配Lv:5≫≪魔法創造≫≪危機脱出Lv:1≫≪高性能マップ≫≪時属性魔法Lv:2≫

【スキル】

≪精神安定≫≪鑑定Lv:5→6≫≪気配遮断Lv:6≫≪契約≫≪罠解除Lv:5≫≪隠匿Lv:6≫≪夜目≫≪超回復・魔≫≪超回復・体≫≪受けLv:3≫≪魔物図鑑≫

【武器】

≪棒術Lv:5→6≫≪投擲Lv:2≫

【魔法】

≪火属性魔法Lv:2≫≪水属性魔法Lv:3≫≪風属性魔法Lv:3≫≪土属性魔法Lv:3≫≪木属性魔法Lv:3≫≪雷属性魔法Lv:3≫≪神聖魔法Lv:3≫≪空間魔法Lv:4≫≪生活魔法≫≪召喚術≫

【称号】

≪先駆者≫≪未知との遭遇≫≪原初の超越者≫≪原初の魔術師≫≪魔と友誼を結ぶ者≫≪悪意を見抜く者≫≪制圧者≫≪孤高≫≪暴き見る者≫≪ザ・トレジャー≫≪着飾る者≫≪不死者を従える者≫≪ユニーク・ハンター≫≪無名の兵≫

【装備】

身代わりのペンダント

【所持G《ゴールド》】

4G

【契約】

ブルーゴブリン×1、レッドゴブリン×1、ゴブリン×6、スケルトン・ソルジャー×1、スケルトン×8、メタルスライム×1、ダーク・バット×1


【ソウガLv:5→6】

≪棒術Lv:6→7≫≪受けLv:6≫≪模倣≫


【コウガLv:5→6】

≪棒術Lv:5→6≫≪二刀流≫≪怪力≫


【ゴブリンLv:3→4】

≪棒術Lv:3→4≫


【ネクロLv:3→4】

≪剣術Lv:3→4≫≪盾術Lv:3→4≫≪頑強≫


【アッシュLv:1→2】

≪液状化≫≪金属化≫≪溶解≫≪形状記憶≫


【スケルトンLv:1→2】

≪採掘≫≪格闘Lv:1≫


【ゴブリンLv:1→2】

≪棒術Lv:1→2≫≪採掘≫


 ひとまず俺のBPは、筋力と耐久にそれぞれ5振り分けた後、残りの10すべてをMPにつぎ込んだ。まあ微々たる上昇でしかないかもしれないが、塵も積もればともいうしな。

 それよりも驚いたのは、スケルトンに新たなスキルとして【格闘】が出現していたことだ。

 確かに今回の戦いは、スケルトンやゴブリンには非常に分の悪い戦いだった。

 それでも俺のMPを消費しつつ戦ったことで、ようやくレベルが上がったのだ。

 こうした格上との戦闘による恩恵か、新たなスキルを習得するに至ったのだろう。これは純粋な戦力強化なので、とても嬉しい。

 質より量とはよく言うが、今回のスケルトンとゴブリンたちではグラスウルフを相手にするにはまだ少し量が足りなかった。

 それがこうして強くなったことで、もう少し戦えるだろう。

 そう考えると、リョーガたちのレベルがもう少し上がりやすくなればいいんだが……。


「……そうだ! 経験値に作用するスキルとかあるんだろうか?」


 気になった俺はすぐさま【スキルコンシェルジュ】を発動させる。

 すると――――。


『習得推奨スキル【経験値獲得量増大】』


「やっぱりあるんだな……ってSP50も消費するの!?」


 まさかの【魔の神髄】と【武の神髄】と同等のSPを要求してくるとは思わなかった。でも、【時属性魔法】の消費SPが30でユニークスキル扱いだったことを考えると、【魔の神髄】、【武の神髄】、【経験値獲得量増大】もユニークスキルである可能性は高い。

 それに、消費SP30の時属性魔法ですでに優秀な効果を発揮してるんだから、50もSPを消費するスキルはとても期待できる。


「でもこれ、習得するなら早い方がいいよな? これを習得しとけばレベルは上がりやすくなるから、結果的にSPの獲得も早くなるわけだし……」


 今のところ【魔の神髄】と【武の神髄】の獲得を目指してレベル上げをしていたが、これは【経験値獲得量増大】に切り替えた方がいいかもしれん。

 改めてこれからのスキル獲得の計画を考えながら、ステータスの確認を終了しようとすると、続けてメッセージが俺の前に出現した。


『【召喚勇士】のレベルが15になったため、【魔体化】が解放されました』


「魔体化?」


 また簡易契約の時のように、レベルによる技能の解放か。

 初耳の単語に首を傾げつつ、その内容もすぐに確認した。


「……なるほど。ソウガたちの姿を消そうとするなら、今までは俺の体に魔力として送還させるしか方法がなかったが、これを使えば送還しなくてもその場にいながら姿を消せるわけだ」


 原理としては、体を形成している魔力の実体化を解除した状態……つまり、その場に漂う魔力へと変化する、ということらしい。よく分からん。

 とにかく実体化を解除しているから、相手は魔体化しているソウガたちを攻撃できないようだが、逆に魔体化している状態で攻撃は加えることができないようだ。

 でもこれは別の使い方もできる。

 魔体化させたソウガたちを偵察としても使えるし、魔体化状態で攻撃はできずとも、相手の背後をとって実体化し、攻撃をすることだってできるわけだ。そう考えると非常に強力に思える。


「よし、順調に戦力強化できてるな」


 新たな技能やレベルアップを含め、非常に実入りのいいこの階層を俺は気に入った。もちろんいずれはレベル的に物足りなくなるだろうが、少なくともボスではないランクDの魔物と群れ単位で戦うことができるのはいいことだ。この調子でレベル上げをしていきたいとろこである。


「さて、それじゃあ魔物を探しつつ、周囲の探索もしますか」

「ギャ!」


 ソウガたちが頷くのを確認しながら、俺たちは五階層の探索を再開するのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る