第11話 残りの学校生活に寂しさを感じて

次の日、奏と付き合ったことを言った。

「みんなはやっとか」

と安堵している反面進路のことはまだ知らない。

遥翔が丁度来た奏に進路のことをさらりと聞いた。

「俺は進路決まってるし、推薦で合格もしている。それに美香と離れる気はない。」

そこで、すかさず出てきたのが、功太だった。

「少しでも手放したり、泣かしたりしたら、容赦しねぇからな」

「そんなことにならないようには努力する。」

ここで火花が散っているのを見て呆れて瞬がさらに水を差す。

「ほらほら、そこだけで喧嘩してないで、後進路決まってないの俺と功太なんだから。勉強するっすよ。それにこんなにここで集まれるの少なくなるんすから。」

そう言って、功太を連れ去り、瞬の言葉だけが私たちの心に残った。

「あと半年か…」

「琴菜ともこの腐れ縁生活も終わりなんだねぇ…」

「美香いないと、寂しいな」

「琴菜そんな事言わないでよ!!」

心のどこかにあった、モヤモヤが瞬の一言で溢れてしまった。

みんな、何かしら思っていたのだろう。

急にテンション下がった教室に他の子が話していた内容を思い出す。

「み、みんな卒業旅行とがどうだろうか。」

「美香、それいいな。琴菜、奏いこーぜ!!」

「私は良いけど」

「どこ行くかにもよる。人混みは好きじゃない。それに免許だって取り立てでこの人数?厳しくね。」

奏は割と現実主義だ。

奏の言葉にまた空気が重くなった。

「誰かんちお泊りとか、BBQとか…」

「美香それもいいな。どこでやる?うちは遠いからパスだな。」

「うちもそんなにでかくない」

「美香と奏の家は?」

「うちは大家族がいるけどそれでも良ければ」

「じゃあ、美香の家だな。」

「親に言っとくね」

そう言った私にみんな喜んでたが、奏は顔色を伺っているようだった。


みんなが帰った後、琴菜と奏が私に声を掛けてくれた。

「男子どもは喜んでるけど、大変なら行ってね。無理なら無理って。」

「断ることも覚えろ」

私は苦笑いをして大丈夫と答えた。


そして家に帰って話した。

うちでBBQとお泊り会をしたい事。

「いいよ、にわでやりな」

祖父母はそう言ってくれた。

でも父と母は反対だった。

「あんまり遅くまでやらないならいい。昼間とか」

「夜近所迷惑になることだけはやめて。てか、男子と女子の部屋別にしないと」

そう言って、了承はしてくれたけど、準備や買い出しや片付けにはなにも干渉しないようだった。


そのことをみんなに伝える。

「じゃあ、俺と琴菜で買い出し行くよ」

「じゃ、俺は瞬と炭とか網だけ買ってくればいいか。」

「奏と私は、じゃあ家で少し準備して待ってるね。」

と役割分担を終わらし、当日になる日を待った。


「お邪魔します。白石奏と申します。美香さんと結婚を前提にお付き合いしております。今後ともよろしくお願いします。」

奏は父と母に土下座をして挨拶をした。

「あなたの進路は?」

母がお茶を入れながら話始める。

「海星短期大学に入り、星々について研究していきたいと思っています。」

「のちに、科学者になると?」

父が険しい表情で奏に問いかける。

「娘さんを不自由なく過ごせるだけの働きをしたいと俺は考えています。」

その答えに、父は笑った。

「そうか、大学に入る前からこんな質問失礼したな。大学でやりたいことを見つけて来ればいいさ。」

それから何気ない会話で、奏との交際は認められたのがった。

丁度いい時に買い出し係が帰ってきた。

「じゃあ、パパ借りるね」

「いいぞ。」

そう言って、にっこり笑ったパパは、ビールをグイっと飲んだ。

「じゃあ、火の番功太、奏お願いね。瞬はこういうお皿やコップ並べて。遥翔は全体の看守。私と琴菜は料理ね。」

そう言って開始したBBQは笑い声に包まれ、圭太も参戦した。

圭太もお兄ちゃんがでいて嬉しそうだった。

「おい、圭太、どのお兄ちゃんがいい?美香と結婚するのに」

そんなことを瞬が聞いた。私はばかばかしいと思ったが、ドキドキ感もあった。

「んー、奏お兄ちゃんかな」

「なんで俺らじゃないの~」

功太が不満気だ。

「この子も来年から高校生だもん。わかるよ。」

「それに美香お姉ちゃんは奏お兄ちゃんのこと好きでしょ?んで琴菜お姉ちゃんと遥翔君。違う?」

みんなは驚いてはいるが、この家にいると自然とこの能力が身につくのである。

「圭太、お風呂先良いよ。」

「はーい。」

そう言って、家の中に圭太は入っていった。

「なんでも見透かされてそうで怖いな」

「行動をもっとつつしもう。」

それから後片付けに、お風呂。やっと寝床についたのは夜中の二時だった。


<女子組の会話>

「もー圭太の言葉にはひやひやしたよ。」

「これで功太ってゆってたら奏怒るだろうね」

「ほんとまじそれ。」

「遥翔から聞いたんだけど、卒業したら学校近いんだって?」

「うん、歩いて10分。途中で圭太の高校もある。」

「なるほどね、家は?一緒のマンションとか言わないでしょうね。」

「それは、さすがに違うと思うよ。琴菜は同棲?」

「うん、家賃浮かすために、その方がいいだろうって。」

「よく、親OK出したね。」

「大変だったよ、あっちの家族はウエルカムだったけど、うちもお父さん変に頑固だから。」

「まあ、遥翔の明るさで何とかなったか。」

「そんな感じ」

「離れても、助けてね。」

「こちらこそだよ。幼稚園からじゃん」

「それな。」


<男子の会話>

「なにする、話」

「俺、遥翔と琴菜のなれそめ聞きたいっす。」

「あ俺も」

「それは、気になる」

「奏まで言うなよ。コホン。えーっとあれは一年の時に俺が一目惚れしまして、性格に。」

「見た目じゃなくて、性格か」

「おい。見た目ももちろん可愛いと思う。しかし、性格のサバサバしてる部分に惹かれたんだ。」

「ふーん」

「そういう、功太と奏はどうなんだよ。」

「俺はねぇ、明るく見せてるけど、途中で気が抜けて体調崩したり、ドジなとこがかわいい。それでもがばるしね。」

「奏はどうなんすか。」

「んー、俺はお節介で何でも自分で背負おうとしたり、我慢したりするとこが気に食わない。だから、目が離せないというか。」

「なるほどね。」

「すっごく理解」

「そこだよな」

「瞬は恋とかしねぇの?」

「俺は、とりまいいかな。今楽しいし、もしかしたら職場で出会いが、的になるじゃないすか」

「なんだそりゃ」

「いいんすよ、今が楽しめれば」

「「「それもそうだな」」」


お泊り会も終わり、みんなが帰ってい言った。

少し寂しくなるな。

そう思いながら、みんなに手を振る。

ふと、奏が戻ってきた。

「どうしたの、忘れ物?」

「これ、じゃ」

ちゅっ…

「えっ」

手の中には夜8時いつもの場所。

そう書かれていた。


「奏!?まった?」

そう言って、指示された通り時間に来てみると、奏は海を眺めていた。

「どうしたの」

「ん?どうもしないよ?」

「用があったから呼んだんじゃないの」

「用はないね。ただ」

「ただ?」

聞き返した瞬間抱き寄せられる。

これはやばい、このままの流れだと…。

そう思って思いっきり目を瞑る。

奏はフッと笑って、軽くキスをした。

「これ見ろ。」

渡された携帯には、マンションの名前と番号が書いてあった。

「これあっちの俺の家。なんかなくても来い」

そう言って、鍵を渡された。

「これって…合、鍵?」

「そうだ、親にも渡たしてねぇ」

私は嬉しくて抱き着いた。

嬉しい、こんなに幸せでいいだろうか。

「寂しがらなくていい、みんなくるし、俺がいる。」

「うん…」

そう言って、私からキスをした。

離すと、奏は照れたように

「やられた…」

とだけ言って、激しくキスをする。

「ん。んん・・・」


奏、ありがとう

そう思いながら膝の上には奏は寝ていた

カシャッ

「可愛い」

海から星から奏に被写体が変わったようだった。






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