第3章 公国に吹く涼風

これまでのあらすじ、出来事のまとめ



 現代日本で暮らしていた遠山暁(とおやまあきら)、通称アキラは不幸な事故に遭い、命を落としてしまった。


 しかし謎の力が働いて、リードガルドと呼ばれる地球とは別の世界、いわゆる異世界に転移する。


 白く美しい城壁のある海辺の街、ラウツカ市の冒険者ギルドに保護されたアキラ。


 そのギルドで働くリズと言う受付嬢とのやりとりで、転移者に関することやギルドに関することの説明を受ける。


 日々の糧を得るために冒険者として登録することを決め、地道に堅実に、初級冒険者向けの依頼をこなしていく。


 先輩冒険者で赤髪エルフのルーレイラや、街の城門を守る衛士、門番のフェイと仲良くなったアキラ。


 仕事を通し、あるいは仕事の合間に良き友人たちと絆を育み、日々を楽しく過ごしていく。


 しかし、アキラが転移してから半年ほどたった秋の日、彼の身を危機が襲う。


 同じく初級冒険者仲間のエルツー、クロと一緒にアキラは商人の護衛任務のため、山道を移動していた。


 そのとき、強大な力を持つ魔物と、盗賊の集団がアキラたちを襲ったのだ。


 かつてない恐ろしい敵の襲来に、依頼主の商人とその従者である青年は命を落とす。

 

 アキラたちは護衛任務に失敗し、アキラも瀕死の重傷を負うのであった。


 そこで立ち上がったのがアキラの良き友人で、ラウツカ市の守護神とも称される門番のフェイ。


 彼女は新たに突然訪れた転移者、コシローの協力と共に敵に立ち向かう。


 そして武器が効かないと言われる敵の魔物、大緑と呼ばれる巨人を素手で打ちのめし、討伐する。


 大緑の血から有効な薬を作成したルーレイラの尽力もあり、アキラは一命を取り留めるのだった。


 怪我が完治するまで、冒険には出ずにラウツカ市内で安静にして過ごすアキラ。


 秋祭りを楽しんだり、ギルドの内勤業務を手伝って戦いとは離れた穏やかな日々が続いた。


 その期間にアキラは魔法についての理解を深めると同時に、この世界には存在しない「火薬」を作り出そうと考える。


 アキラが火薬と言う強大な力を生み出そうとしていることは、世界の果てにいる「魔王」に知られてしまう。


 魔王は魔物を生み出して、自身の脅威となりうるアキラを襲わせ、排除しようとする。


 しかし、山の洞窟の奥深くに住む強大な力を持った蛇の精霊神の加護もあり、アキラはひとまずの危機を回避するのだった。


 その後、完全復活したアキラは新しい冒険の旅でも見事に勝利を収め、街の暮らしの中でも新しい出会いがあるなど、順風満帆。


 新しくできた後輩である見習い冒険者の少年、カルの面倒を見ながらアキラは充実した日々を送る。


 そのときに、ラウツカの街を突如として発生した魔物の大軍が襲う。


 冒険者、街を守る衛士、そして彼らを支えるラウツカの市民たちが一丸となって、恐るべき魔物たちに立ち向かう。


 城壁を背に彼らは勇ましく戦い、見事に街を守りきるのであった。


 アキラが、そしてラウツカに暮らす人々が迎える新しい日々は、さてどうなるのであろうか。

 

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