詐欺の教科書

東京旅行

　東京旅行と聞いて、どこを思い浮かべるだろうか。

　スカイツリーを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。

　けれど、忘れてはいけない。

　東京には、東京タワーがある。

　スカイツリーの下位互換だろ。

　スカイツリーに機能も高さも負けているじゃないか。

　そういう言う人もいるだろう。

　しかし、東京タワーには浪漫がある。

　すでに電波を送信する機能を失った東京タワーであるが、その歴史は失われない。

　昭和３３年に完成した全長３３３メートルの東京タワー。

　３の連なりだけ見ても洒落ている。

　赤と白で塗られた姿には愛らしさがある。

　紅白のめでたさを連想させるし、二色の色分けはパンダの人気に通じるものがある。

　正確には赤ではなくインターナショナルオレンジという色であり航空法で塗ることが義務付けられているのだが、まるで航空法が人気を後押ししているかのようだ。

　そして東京タワーには優しさもある。

　東京タワーには戦車が使われているのだ。

　当時の日本で良質の鋼材を手に入れることが難しかったからなのだが、戦争の道具を戦争に使わない建造物に生まれ変わらせたのだから、東京タワーは平和の象徴と言っても過言ではない。

　東京旅行の際は、東京タワーを訪れてみてはどうだろうか。