　動物園には様々な動物がいる。

　どの動物も人気ではあるが、パンダは特に人気がある。

　パンダは熊の仲間ではあるが、肉は食べず、タケやササなどを食べる。

　むしゃむしゃとタケを食べ、ごろごろと寝ている姿を、愛らしいと思う人間は多い。

　しかし、そんな愛らしい姿にも苦労がある。

　パンダは他の草食動物と比べて腸が短いので、消化に時間がかかるタケを食べても、得られる栄養が少ない。

　一日の長時間を食べることに費やしているのはそのためだ。

　その上、タケを食べる偏食家に見えて、実はグルメでもある。

　どんな種類のタケでもよいわけでなく、特定の種類のタケを好んで食べる。

　それだけではなく、葉っぱの柔らかいところしか食べない我儘なパンダもいる。

　パンダの愛らしさは、パンダ自身の苦労だけでなく、飼育員の苦労によっても支えられているのだ。

　そんなふうに世話が大変なのに、それでもパンダが動物園にいるのは、やはり人気があるからだ。

「あ、パンダがいるよ」

「かわいい」

　食べたり寝たりする仕草だけでなく、白黒の珍しい模様も人気の秘密だ。

　垂れ目のようにも見える目の周りの模様が、愛らしさを引き立てる。

　そんなパンダを見るために、今日も大勢のお客さんが動物園にやってくる。

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