うま味

 ダシは和食の基本だ。

 しかし、基本と言いつつも簡単ではない。

 ダシを取るための食材は様々で、取り方も異なる。

 その上、複数のダシを組み合わせることもある。

 ダシで感じるうま味の正体はアミノ酸であるが、これにはグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸など色々な種類がある。

 これらを組み合わせると、相乗効果が期待できるのだ。

 和食では、ダシを料理によって使い分ける。

 そこに基本はあるが、唯一の正解というものはない。

 基本を守りつつ工夫することで、より旨いものを生み出すこともできる。

 

「うーん……インパクトが足りないな」

 

 和食では料理にダシを使う。

 それに対して、海外の料理ではダシを使わないのかというと、そうではない。

 骨、肉、野菜を煮出したスープにはうま味成分が含まれるし、トマトやチーズを使ったソースにもうま味成分が含まれる。

 ダシという名前ではないが、海外でもうま味は利用されている。

 だから、和食にそれらを取り入れることもできる。

 

「おでんの具材にトマトを使ってみよう」

「だし巻き卵にチーズを入れてみよう」

 

 そのような料理は伝統を重んじる料理人から邪道と言われることもある。

 しかし、従来の旨さを超える可能性を秘めていることは間違いない。

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