オシャレな朝食

 あるところにオシャレな女性がいた。

 街中を歩くときは、オシャレな服を着て、オシャレなバッグを持ち、オシャレに歩く。

 

「♪~~」

 

 彼女とすれ違えば、誰もが振り返る。

 そんな彼女は、誰も見ていない自宅の朝食もオシャレだ。

 

「えっと……材料は……」

 

 マフィン、生ハム、バター、レモン、卵、茶葉、ミルク、等々の食材を用意して自ら料理をする。

 

 半分にスライスしたイングリッシュマフィンに、生ハム、ポーチドエッグ、オランデーズソースを乗せて、エッグベネディクトを作る。

 ポーチドエッグも、オランデーズも、もちろん自作だ。

 

 茶葉で淹れた紅茶に温めたミルクを注いで、ロイヤルミルクティーを作る。

 ダイエットのために低脂肪ミルクを使う人間がいるが、彼女はそんなことはしない。

 成分調整されたミルクなど使わず、本物の味を作る。

 彼女にとって体重は食事の量と運動で管理するものであり、ダイエットのために食事の質を下げるなど、あり得ないことだった。

 

 彼女はさらにサラダを作り、作った料理を食卓に並べる

 

「よし、完成」

 

 もちろん、栄養のパランスはバッチリだ。

 優雅に朝食を食べながら、味を確認する。

 

「うん、美味しくできたわ」

 

 今日も彼女のオシャレな一日が始まる。

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