石の上にも三年
あるところにプロ野球選手を目指す少年がいた。
少年は練習熱心だったが、才能はなかった。
小学校と中学校では、ずっと補欠だった。
「選手は諦めてマネージャーになったらどうだ? 補欠でいるよりチームの役に立つぞ」
監督からそう言われることもあったが、それでも少年は諦めなかった。
石の上にも三年という諺があるが、少年はそれ以上の期間を練習に費やした。
毎日100回の投球練習とバッティング練習を10年間続けた。
練習は回数ではなく質だという意見もあるが、3650日×100回も続ければ得るものはある。
球速は上がりスウィングスピードは上がり、少年は高校生になって、ようやくレギュラーになることができた。
「この試合に勝てば甲子園だ! 死ぬ気で頑張ってこい!」
「「「はい!」」」
監督が選手に発破をかけ、試合が始まる。
その試合で少年は大活躍だった。
カキーンッ!
ホームランを打って得点を入れた。
バシッ!
盗塁を防いでアウトも取った。
試合が進むにつれて点差は広がり、5回終了時点で10点差、9回終了時点で20点差がついて試合は終わった。
「残念だったな」
試合後に監督が選手達を慰める。
少年は活躍したがチームは負け、少年の野球人生は終わった。
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